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彼の名は佐原行雄、その年の春、隣町の公立高校に入学したばかりの男子高生だった。特に他の人に比べて秀でた才能は無く、ごく平穏な日々を何となく過している普通の男子生徒だった。
彼は、何時もの様に学校に通う為に通学の電車に乗り込んだ。車内に乗り込むと彼は同じ車両内に居る綺麗なお姉さんを見つけた。スタイルも良く、顔立ちも良い。少し茶色が掛かった。ロングヘアを垂らした綺麗なお姉さんに少し接近しようと彼は考えていたが……電車が駅のホームに到着してしまう。
彼は仕方無く、電車から降りた。駅のホームに向かう時だった。
「あ……あの……」
彼は後ろから声が聞こえて、振り返ると……そこには制服姿で赤いランドセルを背負った女子小学生が居た。紺色の学生帽を被り、長い黒髪のツインテールに束ねていた。
「これ……落としました」
そう言って彼女が持っていたのは、行雄の学生手帳だった。
「あ……ありがとう」
「いえ……」
彼は嬉しそうに返事をして、学生手帳を受け取る。それを見た少女は嬉しそうな表情で、改札口を出て小走りでホームを出て行く。
(あれ……?でも、何で……制服のポケットに入れて置いた手帳が落ちたんだ?)
彼は不思議そうに頭を抱えながら、特に気にもせずに、学校へと向かった。
翌日……
彼は昨日と同じ時刻の電車に乗り、同じ車両に乗ると綺麗なお姉さんが居た。彼女は、釣り側に左手を伸ばし、右手には文庫本を手にして居た。
彼は少しずつ近付き、もう少しで彼女に接近出来る場所まで来ていた。
その瞬間だったー。
キキィー……
電車の車両が激しく揺れた。
「うわッ!」
彼は思わずよろめき、その反動に寄る条件反射で、伸ばした手が……何か布の様な物に引っ掛かてしまった。
「いやぁ……」
「え……?」
思わず顔を上げると、そこには赤いランドセルを背負った学生帽で制服姿の女子小学生が、赤面した顔を両手で隠そうとしていた。
「何でぇ……」
彼女は、恥ずかしそうに立っている。
状況が掴めない明は、倒れた自分の手元を見ると、彼は紺色の布を手にしていた。そして……彼女の下半身を見ると、彼女はスカートを穿いておらず、その腰には純白のショーツが、少女の腰から股を隠している。
(これって、つまり……僕が彼女のスカートを脱がしたって事……?)
状況が理解出来た行雄は慌てて彼女のスカートを履かせようとする。
しかし……ゴム紐が伸びてしまったせいか、彼女のスカートから手を離すと、スルッと落ちてしまう。
予想外の展開になってしまった明は、ふと……美人のお姉さんの居た場所に目を向けると、彼女の姿が何処にも無かった。
突然訪れた予想外の展開に、彼は仕方なく少女のスカートが落ちない様にして、彼女を支える事になった。
「ごめん……駅に着くまで、我慢して……」
「はい……」
素直に返事をした彼女の後ろから、行雄は少女を見た。
子供とは思えないルックスで、今時の子の様に少し背丈もある。
黒くツヤのある長いストレートヘアからは良い香りが漂い……、色白でキメ細かい肌は柔らかそうだった。
(こんな子が、まだ小学生だなんて……)
そう考えていると……心臓が高鳴り、興奮が高まって来た。
(僕は……今、彼女の身体を触っているんだ……)
行雄が興奮すると……彼の陰茎が勃起してしまい、硬くなった陰茎は彼女の腰のあたりを突いた。
突然、何かに突かれた彼女はビクンッと反応してしまう。
「な……何、今の……?」
行雄の右手は手すりの棒を掴んでいて、左手は少女のスカートが落ちない様に支え、彼女の左手も行雄が変な行為をしない様に掴んでいる状態で、彼女の腰に、何か得体の知れない物が当たった感触に女子小学生は、驚きを隠せず円な瞳を上目遣いしながら相手の顔を見つめる。
「おかしな行為しないで……」
「ゴメン、あまりにも君が可愛い過ぎるから……つい……」
その言葉に、少女は頰を赤く染めながら俯き、右手を胸に押し当てる。
「ごめん……怒った……?」
その言葉に、少女は俯いたまま首を横に振る。
「ううん……その……可愛いなんて……はじめて言われたの……」
彼女の反応を見た行雄は、小さな相手の耳元に声を掛ける。
「迷惑かな……?」
その言葉に彼女は長い髪を横に降りながら「違うわ……」と、返事をする。
その瞬間ー
電車がガタンと揺れる。