Shooting Star-2
「あ。」
「ん?」
「澄の言って欲しいコトが分かった!」
やっと気付いてくれたかな。
「俺は澄といることが幸せ♪」
「……正解。」
この一言が聞けただけで私は幸せ。
「な〜に照れちゃってんのかな〜。自分から仕掛けといてー。」
「なッ…!!照れてなんかないわよ!!」
「そっかそっか♪」
「うぅッ…。」
自分から仕掛けといてもうすっかり凉のペースだ。悔しい…。
「はい家到着〜。」
一人で悔しがっているうちに自宅に着いてしまう。
「うッ…、ありがとね。また明日!」
「おぅ。じゃあな!」
そう言って彼は、夜の薄暗い街へと姿を消して行った。
私は家の中に入り、早々とシャワーを浴び部屋に戻る。
そしてベランダに出る。
「うっわ…。星がきれい…。」
こうして毎回、風呂から出た後にベランダに行くのが日課になっていた。
ほてった体が夜風に晒され、心地良い涼しさが全身を包み込む。
今日、凉が言ってくれたことを思いだし、顔がにやける。
私も、凉が居るだけで幸せ。思い通りのものが手に入るよりも、凉が良い。
……ふ、幸せって良いなぁ。
そんなことを思っていると、満天の夜空に流れ星が現れた。数多の星の間を駆け抜けていく流れ星。本当に願いごとを叶えてくれるのかどうか分からないけど、願いごとをしてみる。
「これからもずっと、幸せでいられますように。」
fin.