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きす
【純愛 恋愛小説】

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きす-2

強く抱くから、砂浜に埋もれそうだ。髪に砂石が混じる。
言葉は大切だょ…昔祖母が呟いた言葉。最近それを実感している。やはり日が浅いから、まだ阿云の呼吸は難しい。そう認識しつつも、言葉を発さなくても何となく分かる時もある事を、これまた最近実感している。今なんか、そうだよね。

潮の香りが服に染み付いている。そんな事を考え、気付けばさざ波が良く見えた。彼の頬が光る。私より色白で、時々見とれてしまう。今年に限って気を抜いた事を、ものすごく後悔していた。
「日の出だな」
「うん」
「時間大丈夫か」
「うん」
「「…幸せだな」」
目が合う。笑う。そして…とてつもなく幸せな瞬間に身を任せる。


不思議だな…だって、ほんの少し前まで俺達…ただの先生と生徒…今もだけどね…何が良くて何が悪いかなんて何にも、何も分かんない…けど一つ言えるとしたら、それは…私が今の幸せを求めてしまった事。彼が私を誰より愛しく思っている事。これは…いけない事……………だよね?


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