幼茎の尿臭 〜聖美13歳・知季10歳〜-6
夕食が終わってから両親と知季が眠りにつくまで、午後七時から十一時までの四時間が、聖美には月曜日の一限目から放課後までよりも長く感じた。夕食後いつものように紬の話題を持ち出した知季のことは適当にあしらった。というか、知季の顔を正視することができなかった。
知季の部屋の灯りがまず消え、両親の寝室から父親のいびきが聞こえだすと、聖美はそっと寝室の扉を開け、忍び足で階段を下りた。
いつもなら、こうやって夜ひそかに階下に下りる目的は、冷蔵庫の中の残り物のおかずをくすねてこっそり食べることだ。だが聖美の足はキッチンを通り過ぎて、バスルームの前にある納戸のような扉の前で止まった。その中にはドラム式洗濯機が設置されている。
その中から何枚かの衣類を取り出した聖美は、ふたたび忍び足で寝室に戻った。ドアを閉め、雑誌やコミックスが収められたチェストを引きずってドアの前に移動させる。内開きのドアは、これでロックされたような状態になる。
持ってきた衣類をベッドの上に置き、天井の灯りをリモコンで調節して減光させると、聖美は着ていたパジャマがわりのルームウエアを脱ぎ始めた。寝る前なのでブラをしていない聖美の胸が、身体の動きに合わせてぷるん、と揺れる。小6の春先に性徴が始まり、両手にやや余るくらいにふくらんできた胸の乳首はすでに固く勃起している。
白地にエメラルドグリーンの横縞が入ったショーツを脱いで全裸になり、ベッドに横たわった聖美は、フラミンゴピンク色のカバーをかぶせた枕の下に隠しておいた冊子をそっと抜き出してページを開いた。開いたページには、さっき聖美の鼓動を激しく打たせた描写が印字されている。
聖美は、ページを開いた冊子を左手に持ち、膝立てして開いた脚の間に右手を滑らせた。小6の秋頃から生え始めて、性器全体を薄く覆う程度に伸びた恥毛がまず指先に触れ、続いて陰核包皮からはみ出しかけているサーモンピンクのクリトリスの先端が触れる。んんっ、と小さな声を漏らした聖美は、人差し指をさらに下のほう、まだ十分に形作られていない小陰唇の上に移動させ、そっと指先で押した。二枚の薄い小陰唇が圧を受けてにゅっ、とくぼみ、中1で初潮を迎えた聖美の膣を覆うサーモンピンクの処女膜が指の腹に触れる。
声になって漏れないように抑えながらはぁ、はぁと吐息を漏らしている聖美は、冊子の中の、聖美にとってもっとも刺激的だった文章を目で追いながら、人差し指を処女膜とクリトリスの間でゆっくりと往復させるように動かした。裸になる前からじんわりと濡れていた膣からにじむ中2の愛液が指先を湿らせ、今年の1月のある金曜日 ―聖美が13歳の誕生日を迎えたそのちょうど一週間後― に初めて自分で嗅いだ、「オナニーするときにまんこから出るやらしい匂い」が漂い始める。
人差し指を小陰唇の長さに合わせてゆっくりと上下させて膣口とクリトリスの先端をなぞるだけの、覚えたての幼いオナニー。冊子の中の14歳の主人公が、好きになってしまった8歳の男の子をオカズにして、男の子の手のひらの感触やきゅっと抱きしめたときの121センチの身体のぬくもりを思い出したり、いつしかエスカレートしてランドセルにぶらさがった巾着袋から抜き取った上下の体操着にしみ込んだ、男の子の汗や体臭の少年臭を嗅いだりして、自分の部屋のベッドの上で中2まんこに未熟な愛撫を与えている、直接的な表現はないものの聖美にとっては十分に扇情的なオナニーの描写、そこで主人公がしている(と思われる)ものと同じような指の動きを繰り返す、回数にしたらまだ二桁も経験がない、13歳の聖美のオナニー。
稚拙な運指でも、刺激の免疫がまだ不十分な聖美にとっては、存分に快感をもたらしてくれる愛撫だった。間隔がどんどん短くなる息遣い、羞恥心を駆り立てるほど固く張っている乳房、片思いしている三年生の先輩 ―紬がふった、あのテニス部の先輩― には死んでも見せられない、ピンと尖っているのが暗めの灯りの下でもはっきり見える、淡紅色のふたつの乳首。