ばれてないと思った?-3
ズボンとパンツを脱いで、Tシャツ一枚で、ベッドに仰向けに寝そべっている。
その隣に、全裸の美琴が添い寝をするように寝そべって話しかけ続ける。
「ちがうの? 美琴のことを思ってしてたなら、見せて。ふふっ、だって美琴がこんなにそばにいるんだよ。腕をぎゅってしててあげるし、ちゅっ、てしてあげるから、美琴のことだけ考えて、できるよね? いつもパソコンの前か、ベッドでしてるの? どんなふうに握って、どんなふうに動かしてるの? 見せて。美琴のことだけ考えてる? 見られてるのが気になるの? ん〜、目つぶってもいいよ。そのかわり、ちゃんと、美琴のこと、大好き、大好き、大好きって、ちゃんと考えてね」
目を閉じると、美琴が腕をぎゅっと抱いて、肩のあたりにチュッとキスをした。
美琴の胸のふくらみの感触が、とても気持ちいい。
「じゃあ、手、動かして。ほら、美琴も手を添えててあげるから。いつも、こんなふうに動かしてるの? ほんとに? 美琴が見てるからって、手加減したりしてない? 止めちゃダメ。ふふっ、しこしこしこ、しこしこしこしこ……なんか、オナニーしてるおにいちゃん、かわいいなって、思っただけだよ。ふふっ、ほらほら、おちんちん握って、しこしこしこって、美琴に見られながら、美琴の声を聴きながら、美琴だけのことを考えて、しこしこしこ、しこしこしこしこって」
美琴が手の動きをよく見ていて、動きに合わせて、しこしこと言う。
「気持ち良さそうだねぇ、ちゅっ」
あまり激しく動かしたら、すぐに出てしまいそうで、動きを緩めたり、ちょっと止めると、美琴は囁きかけたあと、頬や肩などにキスをした。
「大好き、ちゅっ、ん〜、かわいい」
さらに本当にかなり小さな声で
「美琴のことだけ考えてる?」
と囁かれた時は、背中をぞくぞくとしたものが這い上がった。
それが興奮なのか、快感なのか、それとも混ざったものなのか、よくわからなかった。
「ん、気持ちいいね、気持ちいいね、もう出したい? 出したいの? しこしこしこしこ、しこしこ、ダメだよ。出しちゃダメ、でも、手を止めちゃダメ。ふふふっ、もっと、もっともっともっと、ねぇ、もっと。気持ちいい? 気持ちいいって言って。大好きって言って。手を動かして。しこしこ、しこしこしこ」
美琴の声が気持ちいい。
かわいい、とか、大好き、という声や、キスに、胸の高鳴りも、手も、もう止められない。
「ん〜〜〜っ、かわいいっ、イキそう、イキそうだよね、おにいちゃん。あっ、ちょっと止めて。手を止めてっ!」
美琴の添えられた華奢な手で、扱く手を押さえられてしまう。
「ねぇ、おにいちゃん。しこしこするの大好きです、って言って」
「はぁ、はぁ……しこしこするのが、大好き……です」
「ねぇ、美琴のことが大好きです、って言って」
「美琴のことが、子供の頃から、ずっと大好きです」
「……おにいちゃんっ、美琴も大好き!」
美琴が、がばっと体の上に乗っかってきて、唇を重ねてきた。
美琴に唇を舐められて、美琴の舌が口の中に入ってきた。
「んむ……ん……んんっ……ふぁっ……おにいちゃん、かわいい」
美琴はキスのあと、寸止めされた勃起したモノを、華奢なきれいな手で包みこむように、握ってきた。
「ふふっ、おにいちゃんのしこしこしてあげるね。しこしこ、しこしこしこしこしこしこ。ねぇ、おにいちゃん、美琴のことが大好きって言いながら、イッて、しこしこしこ、しこしこしこ、んっ、おにいちゃん、かわいい、いいよ、美琴の手でイッて。美琴のことが大好きって、言って!」
「くっ、あぁっ、美琴、大好きだっ!」
頭の中が真っ白になって、射精しながら痙攣していると、美琴がキスをしてくれる。射精のあとの甘い脱力感と、美琴の艶かしいキスの感触が蕩けてひとつになっていた。
「……これが、おにいちゃんの精液……ぺろっ、ぺろっ……」
美琴は手にべっとりついた、白濁した精液を目の前で、うれしそうに微笑しながら舐めてみせた。
「ねぇ、おにいちゃん、射精したとき、美琴のことだけ考えてた? それとも気持ちいいってことだけ考えてた?
ふふっ、おにいちゃんが、オナニーしたくなったら、また美琴と一緒に、気持ち良くなろうね」
美琴と抱きあったまま、そのままベッドで眠った。
なつかしい夢をみた。
子供の頃、美琴と公園まで、手をつないで歩いていて見た青空や、雑木林から聞こえていた蝉時雨。
目を覚ますと、美琴が手を握って隣で寝そべっていた。
美琴がさし込む朝日の中で、恥ずかしそうに微笑していた。
子供の頃から、これからもずっと、美琴と手をつないで生きていく。
その思いがはっきりわかった朝だった。
「おはよう、おにいちゃん」
~~~~~END.