屈辱の女肉品評会-1
「元(ゲン)さん」
彼は仲間内ではそう呼ばれている。
「他には誰もいませんぜ。この六人だけです」
店内の捜索を終えたアブとチビネが元山に報告した。
「そうか・・・そりゃあついてるぜ」
金は逃したが女は手に入れたという意味だ。
「おまけにとびっきりの上玉よ。ありがたく頂戴しようじゃねえか」
制服姿の女たちを値踏みするように舐めまわしながら、元山が言った。そして作業服のポケットから安煙草を取り出すと自ら咥え、二人にも勧めて火をつける。
「ここは禁煙です!」
チーフの彩佳が犯人たちを睨みつける。
「禁煙だってよ」
男たちが顔を見合わせ、馬鹿にしたように笑い合う。
小峰が背伸びをすると、長身の彩佳の顔にフーッと紫煙を吐いた。人質がか弱い女性だけだと知り、俄然強気にでたのだ。
彩佳の凜とした美貌がゆがむ。煙にむせたのか、あるいは傍若無人な男の態度が許せなかったのか、ただ勝ち気な彩佳も、犯人が振り回すサバイバルナイフの不気味な光沢には、屈する以外方法がなかった。
制服姿の女コーディネーターを目で犯しながら、咥え煙草の男たちが歩き回る。
「斎木真理子か」
胸のネームプレートを見ながら元山が言った。
育ちの良さを感じさせる清楚系の美人に、中年男が舐めるような視線を送る。
「名前を呼ばれたら返事ぐらいしねえかッ!」
「ヒッ!・・・ご、ごめんなさい」
銃口を向けられ、均整のとれたスラリとした肢体を石のように凝固させた。
「真理子、歳はいくつだ?」
「は、はい3・・・31です」
「人妻か?」
「はい・・・」
「ガキはいるのか?」
「い、いえ・・・いません」
今にも泣き出しそうな美貌を楽しみながら、男たちは次々とプライベートな質問を浴びせていった。
「あんたいやらしい口してるな。その口で旦那のチンポ毎日しゃぶってるのか?」
清らかな顔立ちには不釣り合いな赤いルージュがぞっとするほど艶めかしい。
「質問してるんだぜ。答えな」
あまりに下品な言い掛かりに、真理子が返事に窮する。
「フェラチオはしてるのかって聞いてるんだッ!」
「い、いえ・・・したことないです」
やっとの思いでそう答えた。フェラチオ・・・知らないわけではない。ただそんなことは一部の変質者か風俗嬢の行為だと思っていたし、夫がそれを望むことはなかった。
「じゃあ今日が初体験ってわけか」
男たちは顔を見合わせ、ニヤッと笑った。