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ショールーム・立てこもり
【鬼畜 官能小説】

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押し入る-2

「シャッターを降ろせッ!」
 ナイフを振り回しながら怒鳴り散らすこの男は小峰卓。貧相な顔立ちで背が低いことから、子供の頃からチビネと呼ばれている。

「窓を閉めろッ!ブラインドも降ろすんだッ!」
 カウンターに飛び乗り、銃口を左右に移動させながらまくし立てているのは虻川猛。通称アブだ。

 人生を悲観した男たちだった。ある物は末期がんで余命宣告を受け、またある物は経営していた町工場が倒産し、莫大な借金を抱えていた。全身の筋肉が萎縮する、治療法のない難病に罹った物もいる。

 自らの命を絶つ決意だった三人がSNSで知り合い、意気投合するのにそれほど時間はかからなかった。毎週のように安酒を飲んでは、『死ぬ前にハーレムのような生活がしたい』『精が枯れるまで女を抱いてみたい』そんな非現実的な野望を語り合うまでになっていた。
 夢の実現には金がいる。思いついたのが今回の銀行強盗だった。拳銃を手に入れ、入念な下見も繰り返した。逃走経路には車やバイクを配置し、準備は万端なはず・・・だった。
 そして今日、開店直後の銀行に押し入ったのはいいが、何しろ臆病で小心な中年三人組だ。鳴り響く非常ベルにパニックになり、銃を乱射しながら逃げてきたのだ。

 ウッドタイルの床にパンプスの靴音を響かせながら、青ざめた表情の女たちが走り回る。
 すべての戸締まりを終えた今、六人の女性コーディネーターは肩で息をしながら横一列に並ばされていた。
 高性能の遮音ガラスのためか、外のざわめきも気にならない。

「ここは?・・・」
 リーダーの元山が聞いた。警察に追われてやむなく飛び込んだのがここなのだ。
「リナックスのショールームです」
 人質たちがワナワナと怯え震えている中、長身の女が一歩進み出て言った。胸のネームプレートにはチーフ・杉本彩佳とある。
「ほお・・・」
 高級感あふれるシステムキッチンやユニットバス。テレビCMも流れる一流企業名に、男が感嘆の声をもらす。

 


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