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伊藤美弥の悩み 〜受難〜
【学園物 官能小説】

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恋人達の悩み7 〜Summer Vacation〜-7

 輝里は胸も腰もしっかり覆う、白黒モノトーンのワンピース。
 瀬里奈は赤のワンピースだが、スタイルの良さをこれ以上ないくらいに晒け出すデザインを選んでいる。
 浜の野獣の視線は、彼女のものだ。
「はぁ……」
 美弥と瀬里奈を交互に見た輝里は、思わずため息をつく。
 アンダーバストが細いおかげでただでさえ大きいのがより大きく見える、瀬里奈のぼーんと盛り上がった胸。
 いかにもふっくらと柔らかそうなのにツンと上を向いた、形のいい美弥の胸。
、どちらも、羨ましくて仕方ない。
 輝里は、我が胸を見下ろした。
 思春期に突入した直後から身長と共にほとんど変化がなく、自分の手で包めてしまう程にささやかな膨らみである。
「あんたねぇ……高由君の事、見てみなさいよ」
 落ち込んでいる輝里の頭を小突き、瀬里奈は顎をしゃくった。
 それを聞いた輝里は、視線を自分の胸から秋葉へと移す。
 輝里を見た秋葉はすっかり茹でダコになり、見ている方がかわいそうになるまでにうろたえていた。
「高由君はあたしらの水着や胸より、あんたの水着や胸の方がいいのよ。自信持ちなさい」
 言って瀬里奈は、紘平の方を向く。
「どぅお?」
 そう言って、くるりと一回転してみせた。
「たいへん結構でございます」
 紘平は目を閉じて手を合わせ、南無南無と瀬里奈を拝む。
「……見ないでよ」
 美弥はそっぽを向き、両腕で体を隠した。
「いんや、見る」
 龍之介は、すけべな目付きをほっそりしたボディラインに這わせる。
「さて、俺らも着替えてきますか」
 紘平は秋葉の手を引き、少し離れた場所にある男用着替え室まで歩き出した。
 うろたえたままの秋葉は、紘平の誘導に従う。
 女の子三人は立てられたビーチパラソルの下に移動して、男三人を待った。
「二人共、何食べたらそんなに胸が大きくなるの?」
 真剣な顔をした輝里の質問に、二人はずっこける。
「別に努力してないし……」
 困った顔をする美弥の胸に、輝里は羨ましそうな視線を向けた。
 母の彩子も細身な割に胸のあるスタイルだから、美弥の体型は遺伝なのだろう。
「あたしは、努力したわよ」
 瀬里奈は、あっさりと言った。
「サプリ飲んでマッサージして、育ってる最中は寄せ上げブラで肉固定しようとしてたし」
「肉って……」
 生々し過ぎである。
「努力が実を結んだのが、この谷間のある悩殺バストな訳よ」
 瀬里奈は自分の胸を、手で外側から寄せ上げてみせる。
 
 ぼいーん!!
 
 どこからか、そんな擬音が聞こえてきそうだ。
「輝里、あんた努力した?」
 瀬里奈に問われ、輝里はぷるぷると首を振る。
「自然に任せれば、大きくなるかなぁと思って……」
「あ・ま・い」
 瀬里奈は指を振った。
「高由君に不満はなさそうだけど……もう少し出っ張りが欲しいのね?」
 輝里は、こっくり頷いた。
「あたしのやり方があんたに合うかどうかは分からないけど、帰ったらバストアップトレーニングしてみ……」
 瀬里奈の言葉は、男の声に遮られる。
「わぁ〜お!びっじ〜ん!」
 女の子三人は、声のした方を向いた。
 全身こんがり焼けた男が三人、ニヤニヤ笑いながら近くに立っている。
 瀬里奈クラスの美人に声をかけられるくらいだから、全員そこそこよろしいお顔立ちなのだが……整った造作の顔を毎日眺めている三人からすれば、その顔は十分崩れていた。


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