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伊藤美弥の悩み 〜受難〜
【学園物 官能小説】

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恋人達の悩み7 〜Summer Vacation〜-2

「駐車場って、どこかな?叔父さんが、迎えに来てくれてるはずなんだけど……」
「あぁ、あっちね」
 輝里の声を聞いた瀬里奈が、そう言う。
 指差す方向に、駐車場への案内が書かれた掲示板があった。
 一行はぞろぞろと、駐車場へ向かう。
「あ、叔父さん!」
 駐車場に着いた途端、輝里がはしゃいだ声を出した。
 白い大型車にもたれていたダンディな男性が、輝里の声を聞いたかこちらへ振り向く。
 男性は、駆け寄ってくる輝里を見て破顔した。
「久しぶりだな!」
 心の底から嬉しそうに、男性は輝里の頭を撫でる。
「叔父さんも、お元気そうで……」
 輝里が堅苦しい挨拶を始めると、男性は問答無用で遮る。
「ほほぅ……彼が輝里の付き合っている相手かね?」
 輝里の叔父は、ニヤニヤ笑いながら秋葉を示した。
「お、叔父さっ……!」
 頬を真っ赤に染める輝里を見て、叔父さんのニヤニヤ笑いが強くなる。
「それと、初めまして。お友達」
 もはや半分以上眠りの中へ沈んでいる美弥がぶっ倒れないように補助をしながら、龍之介は頭を下げた。
「お世話になります」
「いやいやこちらこそ」
 叔父さんは、悪戯っぽいウインクを寄越す。
「お嬢さんがしんどそうだし、早く車に乗りなさい」
 龍之介は恥ずかしげな苦笑いを返すと、叔父さんに手伝って貰って美弥を車に乗せた。
 美弥と龍之介のペアが乗り込んでから、残る二組も乗車する。
 白い大型車は七人を乗せ、軽快に走り出した……。
 
 
「ようっこそっ!マイペンションへっ!」
 純白の外観をしたペンションの前で、叔父さんは声を張り上げた。
 建物の前に駐車場があり、その前には『ペンション&コテージ アルルの庭』と書かれた木造の看板がある。
 ペンションの名前もそうだが……周囲を木立に囲まれている事もあり、なかなかにメルヘンチックな印象だ。
「君達さえ構わなければ昼食はバーベキューでもしようかと思うんだが、いかがかな?」
「お、叔父さっ……!」
 コテージを使わせてくれるだけでもありがたいのに、昼食までご馳走になるのは気が引ける。
 そう考えて慌てた声を出す輝里の事を、叔父さんは人差し指を振って黙らせた。
「遠くから来てくれた姪っ子とその友達を歓待するのは、叔父としての義務だよ。違うかな?」
 
 
 クリーム色の壁紙に、チェックのカーテン。
 ダブルベッドにはロマンチックなふりふりレース付きカバーがかけられ、テーブルや椅子といった家具も華奢な感じだ。
 本館の内装はオンシーズンに合わせてあるが、別館のコテージはメルヘン&ロマンチックに統一されている。
「よ……っと」
 龍之介はベッドカバーをめくると、そこに車の中ですっかり寝入ってしまっていた美弥を横たえた。
「荷物、この辺に置いとくな」
 秋葉と紘平の声に、龍之介は振り向く。
「あぁ、サンキュ」
 二人を交互に眺めると、紘平は言った。
「昼まで時間あるし、俺らはその辺ぶらついてみるけど……美弥と一緒に寝てるか?」
 たぶん龍之介ならそうするだろうと思われる行為を、紘平は口にする。
「……離してくれないしな」
 苦笑混じりに、龍之介は答えた。
 龍之介の着ている服を掴んですぅすぅ寝息を立てている美弥を見て、二人は納得する。
「んじゃ、昼頃起こしに来るわ。おやすみ」
 美弥を起こさないよう注意を払いながら、二人は部屋を出ていった。
 二人きりになると、龍之介は美弥の隣に身を横たえる。
 ――しばらくすると物音がして、四人はコテージから出ていった。


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