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死神のこと
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死神のこと-1

死神の仕事は2つある。まず1つが死期を迎えた人間のタマシイを天に還すこと、もう1つはして死期を迎えるまで人間を守りぬくこと。(このことを私達は“世話”すると言っている)



一人の人間には必ず一人の死神が憑いている。稀に事故に遭ったり、事件に巻き込まれたりしている人間がいるが、そういう人間に憑いている死神は大抵疲れていて、弱っている(もちろん人間が自ら望んで事故に遭うこともあるが)。そして、運が悪ければその人間は死ぬ。


だが、そうなることを防ぐために天界ではその世話しきれなかった死神を呼び出して、罰を下す。罰の内容は死神を地獄の業火に落とし、焼き続ける。蛇足だが、死神は痛みを感じない。しかし、地獄の業火で焼かれている時だけ痛みを感じる。死神達はそうなるのはごめんなので毎日人間を世話しているのだ。



そろそろ私のことも紹介しようと思う。

名前はリヤ、性別は女、死神になって40年経つ。ちなみに、私が今担当している人間は半井 蛍(なからい けい)、15歳、女。彼女が産まれてからずっと世話しているので結構かわいく思っている。それに今まで世話してきた人間に比べて危ないこともやらないので世話するのも楽だ。


しかし今日学校の帰り道、蛍が車に撥ねられそうになった。今までこんなこともなかったので、驚いたがなんとか蛍を歩道側に引っ張り助けることができた。
蛍「ビックリした〜」『私もびっくりしたわ』ゲッ!口に出して言ってしまった聞こえたか?
「ん?誰か何か言った?」蛍が一緒にいた友達に聞いたが、誰も何も言っていない。(当然だが)
ふと蛍が私の居る方向を見て、少し驚いた顔をしたが、すぐ友達の方に向きなおしたので、良かった。見えてなかったのだ。


家に帰って、自分の部屋に入ってすぐ蛍が私のことを見てまた驚いている。やっぱりバレたのだろうか。

『あの〜私のこと見えてる?』
「はい。あの、あなたダレ?なんでこんなとこ居るの?さっき助けてくれましたよね?」やっぱりバレてた…。それにしてもよく喋るよな〜この子
『えぇ〜とね、私は死神よ。ここにいるのは私があなたに憑いているからだから助けたから。』あーあ…面倒なことになってきた。
「へぇ〜スゴっ。でもあなた死神なんですか、格好意外と普通ですね。」
『ありがとう、ところで私のこと恐くない?不気味でしょ?』
「そんなことないですよ?優しそうだし。あの、私は蛍あなたは?」
『リヤよ。それと、あなたのことはなんでも知ってるわ、蛍。産まれたころからずっと側に居るんだから。』
「マジ?そういえばそんな感じするかも。」『でしょう?』

前までの人間は死ぬまで一度も私の存在に気付いていなかった。のに

「ねぇねぇ、リヤさんのこと“おねえちゃん”って呼びたい。いい?」なんだろう何か…『うん』うれしい……?
『いいよ。』
本当にうれしい。こんなこと初めてだ。この子とは上手くやっていけそうだ。【終わり】


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