人妻の浮気心 (4)-2
つい最近まで、私はゆきが女性器を示す四文字を発するのを聞いたことがなかった。美人が甘え声で口にする「おまんこ」ほど、男を興奮させるものはない。Yも何度も聞きたいのだろう。「ちゃんとおねだりできる?」「言わないとしてあげないよ?」と畳み掛ける。掻痒感が限界を迎えつつあるゆきは、尻をくねらせ目に涙をためて懇願する。
「…………Yくんのおちんちんを…………私のおまんこに…………挿れて、ください…………はぁっうっっっぐっっっ……!」
画面の中のゆきの顔が歪んだ。半開きの口で汚らしい喘ぎ声を発し天を仰ぐ。下からの突き上げに合わせ乳房が揺れる。
「はがっっっっんぐっっっんぶっっっ!」
恥ずかしい声を我慢したいのか唇を噛み下を向くも効果はなく、奇声を発したちまちイッてしまった。
高みに達したあとはタガが外れたように乱れる妻。
「ぁあん! もっとして……」「もっと?」「うん……もっと……奥まで」「こう?」「ぁああん! そうもっとして……もっと奥まで来て……」「ぁあ、ゆきさんすごい……!」「ぁああ! いい……もっと奥まで挿れて……ぁあ!」「あぁ、ゆきさん! 自分からそんな……腰振って……いやらしすぎる!」「ぁああ! だってぇ……!」
背中をのけぞらせ尻を突き出すゆき。器用に前後に腰を振っていたかと思えば、悩ましく下半身で円を描く。潤んだ目でYを見つめキスを求め、唾液を交換しながらまた尻をへこへこ上下に振る。Yがゆきに挿入したまま後ろを向くよう促す。自らの中心をを貫く男性器を支柱に、尻をわずかに浮かせ体を入れ替えるゆき。回転摩擦に膣襞が刺激され、眉根に皺が寄る。甘い吐息が漏れる。
美人OLの形の良い尻を、カメラが正面から捉えた。
あぁ、これは――。
見たくなかった。背面騎乗位となった妻の丸い尻の間、グロテスクな花びらの中心に、Yのペニスがずっぽり突き刺さっていた。妻が腰を落とすと、ペニスはズプズプと音を立て、愛する女の体内に飲み込まれていった。
「ぁ……ぁあ……ぁああああ……」
ゆきが尻を持ち上げる。Yのカリ首にひっかかった妻の肉びらが盛り上がる。柔肉は深海生物のようにひくつきながら咥え込んだ海綿体を汚汁とともに吐き出していく。グチュ、ブジュル――。黒ずんだ花びらはまるでペニスとの別れを惜しむように男の陰茎にまとわりつき亀頭にすがる。
尻を揺らし花弁と雄しべ先端の優しいキスをしばし楽しむと、また腰を落とし、自らの中心へ男性器を導き挿れる。Yのペニスが妻の陰毛を巻き込み蜜壺へ飲み込まれる。深く男女が繋がるほどに結合部から愛蜜が溢れ出し、二人の股間を濡らす。グチョグチョベチョベチョ汚らしい音が響く。そんな一切に構わず尻を振り、男性器と女性器の摩擦に没頭する妻。
「あぁゆきさん、そんなお尻突き出して……めっちゃエロい……」
「ぁああん! ゃだぁ、恥ずかしい……言わないで……」
*
Yに向け突き出された尻は今より幾分小ぶりではあるが、三十の峠を越え、わずかに肉づいてきた時期だった。二児の出産を経て日に日に熟れていく愛妻の裸体を、当時の私は着替えや風呂上がりにこそこそ盗み見ては脳裏に焼き付け、妄想で自らを慰める日々だった。まさか妻がその尻を、職場の後輩の男に惜しげもなく開陳していたなど夢にも思わない。
画面に大映しになった尻の中心に薄茶色の窄まりが鎮座している。女性器のおぞましさとはあまりに対照的な可憐すぎる蕾は、ゆきが尻を突き出すと小さく咲き、引くと萎む。周囲に刻まれた細かな皺の伸び縮みが健気でいじらしい。
「ゆきさんのここ、ヒクヒクしてますよ」
「はぅっ……ん! だめぇ、そこは……ぁあああ、汚いから……ぁああん!」
職場で毎日顔を合わせる美人OLの肛門を目の当たりにして正気でいられる男など存在しない。Yの指も自然とゆきの丸出しのアナルへ伸び、汗と愛液でテラテラ光る細かな皺を弄び始めた。
「あぁ、おねがい……恥ずかしいから……私……シャワー浴びてない……ぁ、ぁっくぅ……!」
はじめ撫でるように優しかったタッチは、やがてぐいぐいと力の込もった恥穴への圧迫へと変化する。
「ぁああああああ……ほんとにやめてぇ……!」
身を捩っていやいやをしていたゆきの叫び声が一際大きくなった。Yが指先の匂いを鼻を鳴らして嗅ぎ始めたのだ。
「ゆきさんのアナルの匂い、あぁ、すごい匂いがしてる……くんくん……あぁあ……すぅーーくんくん……」
「あっぁぁあああああもうやだ……ぁああねぇ、Yくん……ぁあん! ねぇ……!」
嫌がりつつも尻の上下動だけは続ける妻。Yもゆきのアナルを指に擦りつけては匂いを嗅ぐ辱めをやめようとしない。シャワーも浴びていない肛門の匂いを、好きな異性に好き放題嗅がれるという女性として最悪の恥辱。
熱り立ったYは妻を前方へ押し倒し、後背位へと移行した。一日働いて汗をかき、飲み会へも参加し、一年ぶり以上のセックスで愛液を垂れ流し、ストッキングとショーツの中で蒸れた人妻のアナルは、いったいどんな匂いを発していたのだろう。画面の中からでも臭ってきそうなゆきの股間。それを楽しんでいるのは私の知らぬ後輩の男。ドギースタイルで文字通り犬となったゆきの肛門を陵辱し、尻を叩き、乳房を揉みしだく。妻は嫌がるどころか女の声をますます張り上げ、もう何度目かもわからないオーガズムに達している。
*
地獄はしかし、ここからが本番だった。
「ねえ、チュウして……」
身を捩ってキスを求める人妻。蕩けきった官能的な表情はあまりに美しく汚らしい。
「んん、もっと……チュウしよ……」
ゆきは普段表にこそ出さないが、自分が他の女性より優れた容姿を持っていることを自覚している女である。自分のような美人がはにかんだ笑みを浮かべキスをおねだりすれば男がどうなるかすべてわかっている。