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女らしく
【コメディ 恋愛小説】

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女らしく【09】『子供と子守と子育て』-7

「ほら、お母さん。大和と仲良く寝るのは構いませんけど、ちゃんと見てないとお母さん失格ですわよ」

琴音をオレに渡してくる。暖かい重さが腕に伝わる。

「ごめんな…琴音…」
「あう」

小さな手を伸び、オレの顔に触れる。
許してくれたのか?

「それに…最後に遊んでおいた方がいいんじゃありませんの?後…2、3時間で迎えが来ますわよ」

時頃は3時過ぎ。
夕方って言ってたから、残りの時間は後僅か…
そう思うと急に琴音と別れるのが寂しくなり、ギュッと抱き締める。

「琴音…ママと最後に遊ぼうか♪」
「だう」

言葉にならない言葉を喋りながら琴音は笑った。




「ありがとうございました!」

5時半。子安さんが迎えに来た。

「どうでしたか?」

いい子でしたよ♪ほとんど泣かなかったし、泣いてもすぐに泣きやんだし。

「そうですか♪本当にお世話になりました!」

子安さんに琴音を渡す。腕から重みが消える。

「今日は楽しかったよ…なっ、マコト♪」
「ああ…また…来いよ…」
「あう」

一言だけで返事をすると琴音は子安さんに連れられて帰っていった…

「琴音…最後も泣かなかったな…」
「ああ…」
「最後くらい別れるのが寂しくて泣いて欲しかったな…」
「ああ…」

腕の中にはもうあの重みも、あの暖かさもない……

振り返り、大和の胸に自分の顔を押しつける…

「マコト…」
「ごめん…大和…ちょっと……このままにさせて…」

大和の手がオレの頭を撫でる。優しく髪が揺れる。

「…ぅ……っ…」


いつかまた、こんな日が来て欲しい…
その時は…本当の夫婦でありたい…
もし…大和との子供が産まれたら…
『琴音』って名付けよう…

遥か彼方の夢を見て、頬を濡らした夏の午後…


続く…


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