女らしく【09】『子供と子守と子育て』-5
「誰がおじさんだ!!」
だって…パパは大和だもん♪ねぇー琴音♪
「ねぇー、じゃねえよ!」
幸い大和は片付けをしているから今の台詞は聞かれていない。
流石に恥ずかしすぎるからな…
「…もういい。俺は他に行く…」
変化をして人型になり、本当に何処かに行ってしまった。心なしか琴音が寂しそうな顔をした。
「じゃあ、私たちも行くからね。頑張ってマコトちゃん♪」
「何かあったら呼んでね!!」
「ファイトですわ、お母さん♪」
「それじゃ、頑張ってマコトさん♪ほら、博士行きますよ!」
みんな出ていき、ポツーンとオレと琴音の二人だけになる。さっきまでがかなり騒がしかったから、広い談話室が余計に広く、静かに感じられる。
「ふぇぇええぇぇん…」
また、琴音が泣き出した。ミルクは飲んだから、今度はおむつらしい。
琴音の服を脱がし、おむつを取り替える。やり方は聞いていたが、初めてだったのでかなり手間取った…
改めて母親の偉大さを感じた瞬間だった。
悪戦苦闘して何とか取り替えれたな…それじゃあ……
「おむつも取り替えたし、ちょっと遊ぼうか琴音♪」
琴音とは人形で遊んだりした。
琴音も喜んでいたが、オレも楽しかった。
こんな子供時代が過ごせてたらな…
無理やり男として育てられたオレにとっては、全く縁のない遊びばかりだった。
そう思うと少しだけ嫉妬心が沸いてきた…
「マコト、大丈夫?」
丁度、琴音に絵本を読んでいたとき、大和が全ての片付けを終えて持ってきた。
「ほら、琴音。大和パパに遊んでもらいな♪」
「…パパ?」
あっ…やばっ…つい……
「ほ、ほら!同じ鬼だろ!!だ、だからさぁ…」
いかん…妄言が……
「まあ…パパも悪くないか」
琴音を抱き抱えながら、にっこりと笑う。
本当に親子の様だ…
「じ、じゃあ…オレが…ママだからな……」
楽しそうに琴音はきゃっきゃっと笑っている。
「分かった♪そういえば、まだ昼ご飯食べてないだろ?」
そういや、琴音の世話でまだだったな…
「琴音は俺が見てるから食べてこいよ。マコトママ♪」
えっ!?えっ…
「何変な顔してんだ?今自分で琴音のお母さんだって言ったろ?」
「あ…うん…そうだったな!じ、じゃあちょっと食べてくるから!!」
遊んでいる大和と琴音を後にして食堂へ向かう。
足取りは軽やか♪気分爽快♪