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人権のない女子高生
【鬼畜 官能小説】

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1-1

 四月。生まれ育った岐阜県を離れ、ここ名古屋の高校で本日めでたく入学式を迎えた。
 桜道工業高校。美桜という名前の私と同じ、『桜』の文字が含まれる高校。だからと言って、何か感慨深いものがあるわけでもなく、それを理由にこの高校を選んだわけではない。
 それどころか、選ぶ権利すらなかった。

「あいつがそうなの?」

「え、まじ?普通の子じゃんか。」

「まじだって。俺、こっそり見たことあるからさ、国カメ。」

 聞こえてくるヒソヒソ話。慣れていない教室だから静かな教室、というわけではない。もちろんそれもあるだろうが、原因の大半を占めるのは私という存在だと思う。
 担任の先生が教室に入ってきても、それは変わらない。
 そして、回ってきた私の自己紹介でヒソヒソはザワザワへと変わる。

「い、140723号です。出身は岐阜県、飛騨の方の中学から来ました。三年間よろしくお願いします。」

 140723号、今の私が名乗ることが許されているのはこれ。本名の川瀬美桜は名乗ることが許されていない。
 向けられる遠慮のない視線がいたたまれず、私はすぐに先に座る。

 進んでいく自己紹介。その殆どが男子で、女子は私の他にたった二人。情報処理科のクラスということもあり女子が辛うじているが、女子のいないクラスだって珍しくない。
 進路で名古屋の学校に行くと希望したら、ここに入れられたのだ。私の意思などそこにはなかった。しかし、中学のクラスメートと同じ高校になど行きたくなかった私にとって、名古屋ならどこでも問題なかった。
 そう、放課後を迎えた今、この時まではそう思っていたのだ。

「おい、犯罪者予備軍。」

 そう言って、私の机を囲んできたのは三人の男子だった。三人とも茶髪で、いかにも不良。わかりやすい風体をしている。

「返事ぐらいしろよ。」

 椅子を蹴られる。しかし、犯罪者でもその予備軍でもない私は返事なんてしてやらない。

「それとも穴人形て呼ばれた方がいいのかよ。」

「違う、私は……。」

 川瀬美桜。そう言いたいのに名乗れない。だって私には人権がないのだから。

「まぁいいわ。それより、お前さ。」

 どんなことを聞かれるのだろう。家族の誰が犯罪者になったのか?それともどんな犯罪を犯したのか?よく聞かれるのはこれらの質問だ。
 鬱陶しいぐらいに聞かれたし、何より、話すたびにそれを思い知らされることがホントに辛い。
 しかし、今日はそんなのが気にならないぐらい、むしろそんな質問の方が良い、そんな内容だった。

「脱げよ。」

「………………え?」

 何を言われた?

「着ている服、脱げよ。」


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