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8月のヒメゴト 〜僕と桃香の7日間〜
【ロリ 官能小説】

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5日目-17

僕はももちゃんの過去を全く知らない。彼女が話したこともない。
別にそれで、ももちゃんを好きな気持ちが揺らぐ事はないが、気にならない訳ではない。
「わたしね…本当はずっと、寂しかったの」
「お父さんとお母さんは?」
「いてもいなくても、同じだよ」
それは育児放棄か?やっぱり、親から愛情を受けずに育ってきたのか。

「ずっと、お兄ちゃんに会いたかったの。わたしが好きなのは、お兄ちゃんだけ」
以前と同じ疑問が、頭をよぎった。いつ僕の事を知ったのか…
しかしそれは、触れてはいけない気がした。なぜだか自分でもわからない。
「ありがとう。僕も、ももちゃんだけだよ」

防波堤は、少しずつ近付いていた。
僕はふと、ビーチの方を振り返った。
砂浜を女性が歩いていた。全身黒ずくめ、黒い帽子…旅館にいた、あの人か?
まさか…僕達を追ってきた?
いや、偶然だろう。ここは旅館からそれほど遠くない。たまたま同じ海水浴場に来てるだけだ。

しかし、もし偶然じゃなかったら?きっと、狙いは僕ではない。
「どうしたの?」
僕が岸の方を見てるので、ももちゃんも気になったのだろう。
「何でもないよ」
彼女は振り返った。
「あ…」
明らかに、驚いていた。
「ももちゃん?」
「……」
「あの黒い服の人、知ってるの?」
「知らない。見たことない」
「もしかして、お母さん?」
「違うよ」

ももちゃんは、何かを隠している。しかし、僕に言いたくない事を、問い詰めるわけにはいかない。
「ももちゃん」
「何?」
「もしも…いいかい?もしもだよ。もしも、誰か悪い人が、ももちゃんを連れて行こうとしても、僕は絶対渡さない!何があっても、ももちゃんを守るからね!」
「うん、ありがとう…」


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