2日目-7
「ももちゃん達は、今どこに住んでるの?お父さん、どんな仕事してるの?」
「それは、話しちゃダメって、お父さんに言われてるの」
「変だよ。僕に、ももちゃんの事頼んだくせに、自分の事は何も言わないの?」
「知らない!お父さんがダメって言うから!」
ももちゃんは、泣きそうな顔になった。
これ以上言うのは、かわいそうだ。
「わかったよ。ごめんね。ご飯食べよう」
「うん…」
また気まずくなった。うまくいかない…
でも、ももちゃんは、再びオムライスを食べ始めると、機嫌を取り戻した。
「ホントおいしい!」
キレイに完食してくれた。
「お兄ちゃん、また作ってね!」
夜も更けて、僕はまたソファーで寝ようとした。すると、ももちゃんが寂しげに訴えた。
「お兄ちゃん、お願い。ベッド使って」
「僕はここでいいよ」
「ダメ!だってお兄ちゃん、昨日あまり寝てないでしょ?」
気付いてたのか…
「わたしね、お兄ちゃんと一緒に寝たいの。どうしてもだめ?」
潤んだ瞳で僕を見る。ズルいよ、その目…
「わかったよ」
ももちゃんの表情が明るくなった。どうして女の子は、こんなにコロコロ変えられるんだ?
「じゃあ、お兄ちゃんそっちね。わたしこっち!」
ももちゃんは、ベッドに飛び乗った。
まだ子供だ。寂しがるから添い寝するだけだ。
そう自分に言い聞かせた。