2日目-2
「お兄ちゃん、今日は遅くなるの?」
「うーん…わからないな」
「そっか…」
彼女は寂しそうな顔をした。
「ももちゃんは?今日はどうするの?」
「今からお部屋の掃除するの」
「えっ?そんな事しなくていいよ」
「ダメ!だって汚いよ。この部屋」
そう言われると、返す言葉がない。
「それなら、せめて朝ごはんと掃除のお礼がしたいな」
「わたし、お兄ちゃんの作ったごはん、食べてみたい」
「そんなのでいいの?じゃあ、ももちゃん、オムライス好き?」
ももちゃんは大喜びだ。
「うん!大好き!」
「決まりだね。僕が帰るまで待ってて。あ、そうだ、ももちゃんのお昼ごはんは?」
「コンビニで買うからいいよ」
部屋を出ると、ももちゃんが、ドアの前で手を振った。
「いってらっしゃい!」
なんか、いいな。こういうの…
僕は温かい気持ちになりながら、車に乗り、会社に向かった。
ももちゃんが家に来てまだ2日目だ。なのにもう、すっかり馴染んでいる。
まるで、ずっと前から一緒にいたように…
余程、人懐っこい子なのか。
僕は結構、人見知りする方だ。なのにもう、あの子が妹みたいに思えてきた。不思議だ。
いや、年齢から考えたら、娘か…
それとも…
また、あの風呂場での事を思い出した。
だめだ、もう忘れよう…