｢無慈悲｣と云うこと／もうレイプですらない-2
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あの日本鬼士大尉と聖戦エクソシスト騎士の顛末。デスメタル歌姫ソック・アリーシャと、バラエティ番組に出た直後の出来事であった。
鬼の鉄仮面で、気さくな感じで、居合わせたプロデューサーにたずねた。
｢ところで、｢天誅｣という言葉をご存知だろうか？｣
｢？｣
意味がわからず戸惑うテレビプロデューサーのすぐ横で、聖戦エクソシスト騎士が不穏なオーラを醸し出す。突如としてサブマシンガンを、撮影ルームのスタッフとギャラリーに乱射する。ものの数秒後には血塗れの死体の山が転がり崩れ落ちて散乱していた。
プロデューサーは青ざめて、言葉もない。
｢い、いったいどういうつもりなんだ？｣
｢こういうつもりだよ｣
日本鬼士は日本刀をスラリと抜き放つ。
狼狽え後じさるプロデューサーに、冷酷な死刑宣告。
｢とっくに調べはついている。州軍閥司令部は、貴様らをゲリラ幇助の逆徒と断定した。｢社会の公器｣をうたいながらこれまで散々にスパイとデマや誤情報の散布、本当にありがとう。心から大迷惑だった。お疲れさまだ、もうお前らいいよ、死んでよし！｣
横一閃でプロデューサーの頭がボールのように転がり飛ぶ。獄門・晒し首の沙汰であった。
｢ナイス天誅｣
聖戦エクソシスト騎士が親指を立てる。
そのころ玄関では、テンガロンハットにサングラスとコーンパイプの｢松川さん｣（正確にはマッカーサー警部）が、西部劇のガンマンのような二丁拳銃で射殺を開始していた。建物の周囲は武装した官憲で固められていて、逃げようとしても撃たれるだけだった。
もはや慈悲はなかった。
大部分が殺され、一部は人質交換に使われたそうだ。
5
そのころ、学校に立て籠もって人質をとって（犠牲者が出た）、捕縛・処刑に抵抗した潜伏テロ分子の馬鹿者に、自業自得の残酷な処刑が｢見せしめ｣をかねて行われた。
必ずしも、凌遅ばかりが究極の酷刑ではない。
まずは鉄パイプで手足が砕かれた。
そこからが｢本番｣だ。
あの悪魔のような少女セラが、今日ばかりは本気モード。表情が思い詰めたように真面目顔で、まなじりに悲壮な情熱、柳眉を逆立てる。なにせ、学校に立て籠もって児童殺戮した現行犯が相手だから。
さながら、熟練のスキタイ人かタタール人のような残忍に卓越したナイフさばきで、生きたままで全身の皮を剥いでしまう。まだら風であった。
真っ赤な血塗れでピクピク震えて呻いているところへ、聖戦エクソシスト騎士が駆けつけ、お清めに希硫酸を振りかけて悶死させた。余談ながらパーク大尉は、別の場所で凌遅刑と煮殺刑の掛け持ちで大活躍だったそうで、煮殺した｢中国風両脚羊スープ｣は、観客の希望者に振る舞われ、処刑中の凌遅受刑者にも与えられた。
テロ多発の防止には見せしめの残虐刑罰と、電撃的な一斉駆逐殲滅で皆殺しである。
6
そのころ、｢捕縛を避けられない｣と怯えたセレブの中年女（裏でスパイ指示）が、便所で便器の壁の間に挟まって｢隠れたつもり｣で震えていたのが、怒り狂った軍人たちから引きずり出されていた。
｢こんなの、ゲリラでも要らないのでは？｣
｢なーに、数の水増しさ。あぶれた下っ端とか若い奴とか物好きとかで、使えなくないだろうし。犯す以外にも奴隷労働とか色々あるだろうからな｣
とりあえず、人質交換のための女囚コンテナに投げ込まれる。
そこからが悲惨で、これまでの所業と責任で仲間の女たちからリンチにあう。これからの破滅の境遇に怯えて絶望した若い女たちは怒り狂っていた。
殴る。蹴る。殴る。蹴る。殴る。蹴る。
ゲリラに引き渡されたときには、顔と全身に痣をつくって、カツレツ料理のようにぶちのめされて骨折までしていたらしい。しかも解放されたコンテナからは、すえた大便臭のような｢女たちの汚臭｣が漂い出し、ゲリラ男たちさえギョッとしたらしい。
要塞都市の州軍閥と村人たちの怒りと凶暴性の爆発。
大炸裂で、盗賊カルトゲリラを圧倒していた。