或る阿媚嬌喚地獄の終焉(第二章・完)-3
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あの鬼の鉄仮面で武将風ファッションの「日本鬼士」大尉が、またしてもクリスチャン・エクソシスト聖戦騎士と対談している。キャラクターが立ってユーモラスなキチガイどもなので、よく公営放送番組にも出ていたりするコンビであった。
今回はスペシャルゲストで、あのデスメタル歌姫のソック・アリーシャも登場。ブラックのゴシック・ロリータのファッションで「ウリは太陽が憎い」がキャッチフレーズの、自称・吸血姫。あの残忍無双の殺戮拷問官パーク大尉と同様、「あまりにも悪事・裏切りと詐欺・虚言・犯罪をやり過ぎて、聖書のソドムとゴモラのように世界中でリンチ絶滅された、呪われた東アジア系半島民族」の血を引いている「生きた珍物記念物」だとか。
そして日本鬼士大尉曰く
「しょせんは男なんてのは、消耗品で鉄砲玉みたいなものですよ。安全に保護されて飼い殺しがデフォルトの女とはキャラクターが違います。女は子供を産み育てたり、基本的に「生きる」ように出来ていて、だから損得勘定に鋭敏で本能的に臆病で、神経質で利己的です。生物学的にそうなっているんだから仕方がない。
あいにく男の人生ってのは、「死ぬ」ことです。国や社会や所属する組織のため、家庭のために「死に続ける」。昔の一時期は会社や家庭を守るために過労死する奴までがあとを絶たなかったそうですが、「平時の籠城玉砕」そのものです。つまり「男の人生とは死ぬことと見つけたり」です。大義や栄光や野心のために命を危険に突撃する。弾切れになれば素手や刀一本で突撃し、廻りに敵を集めて自爆スイッチがデフォルトの行動ですらある。
私は差別主義者です。人間は本質的に平等ですが、性別や年齢や地位や立場で微妙のデフォルトの条件が違ってくるのは仕方がないことなんです。大の男が女や子供の弱者を盾に姑息に立ち回るのは恥ずべきことです。昔のコリアンのようになってはいけません。指導者や知識人は本分なのだから国や社会により重い責任がある。アホ左翼学者やオカマ茶坊主のような連中は焚書坑儒すべきです。若年層を守り導けない年長者や年寄りは屑です。亡国平成の日本の老人たちは度し難い愚か者でした」
独特の「洗練された差別主義」であった。
ソック・アリーシャは「私、その邪悪なコリアンの末裔で女ですけど、私の前でそこまで言う?」と笑いながら、「ひどーい」などと手を叩いていた。なお、彼女はパーク大尉の「世界残酷紀行」の深夜配信ショート番組でレポーターもやっている。その日に、視聴者プレゼントと通販で特製マンドラゴラ(キムチ)をアピールしていた。
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その日本鬼士とデスメタル歌姫がトンチンカンに問答する狂った番組を、パトリシアとセラもゲラゲラ笑いながら見ていた。
緊急ニュースのテロップが入った。
あの人質交換していたゲリラの拠点村が、隣のミソネッタ州軍閥を中心とした攻撃で武力殲滅されたそうだ。なんでも、小型の無人殺戮ウォーカーを皆殺し設定で投入したとか。あとで裏で出回った映像ではイヌノフグリ(プロメテウス二足歩行戦車、アキダホ州軍閥とは色とカラーリングが違っていた)が両腕から火炎ナパームで焼き払っていた。
事前に人質交換で、味方人員を大勢(百人近く)救出出来ていたことは不幸中の幸いだっただろう。巻き込まれて死んだであろう、「交換で送られた曰く付きの女たち」については徹底して皆がスルーであったが。
(第二章表編・完)