表現。(表わす現在を。魂を。)-2
私の作り出した不透明な未完成な歪な世界。
例えるなら、心の中に幾つもの扉があってその一つをこじ開けて探索しているようだった。
満たされていく。
所詮は自己満足の安っぽい世界だろう。
そんなことはどうでもいい。
私の中にあるものを吐き散らす。
食事に似ていた。
喰らい尽くして排泄する。
排泄のような私の魂の不器用な表現方法。
唯一の表し方。
汗が滲む。
この世界を維持するには集中力と想像力が必要だった。
筆が鈍る。
重くなり速度を落とし
止まる。
我慢する。
まだここにいたい。
せっかく見つけた場所だったから。
あと少し……
しかし
我慢できずに
ドアから現実に吐き出された。
急に戻った現実はいつもより明るく見れた。
やっと見つけた表現手段。
生きている証。
きっとまた挑むだろう。
あの扉を開くだろう。
その先に何があるか見たいから。
六弦もグローブも扱えない私の抵抗手段。
そしてまた不作法に筆を走らせる。
何もみつからなくても
誰にも気付かれなくてもいい。
一つだけわかったから。
全てはここから始まる。
スタートラインはあまりにもちっぽけだった。
しかし始まった。
魂が呼吸し始めた。
確かに息を吸っていた。
私も深呼吸。
準備はいいか?
これから世界に殴り込みをかけるから。