酸鼻嬌喚地獄からのビデオレター-1
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ナタリ・パヨカとナツキ・イー・リャンたちの悶絶地獄は始まったばかりだった。
あの悪魔のような少女(セラ)のような繊細なテクニックはなかったが、人数が多いので「物量押し」と「力技」で押しまくってくる。
これが通常だったらただの精神的苦痛でしかないのだろうが、優しさなのか底意地の悪さなのか、それとも単に面白いからなのか、怪しげな麻薬まで嗅がされて気が狂ってくる。文字通りに「発情した動物メス」のような発狂状態になって、ただひたすらになぶられ犯される。
それも一回二回だけではなく、「男のマグナム」が無数に連続リロードされる。どこぞの昔の火縄銃で、三列で交代しながら順番に延々と発砲する方式のようなやり方で、最初の「歓迎会」のたった一日(正確にはわずか数時間)でのべ百回以上も。ようやく解放されたのは、とっくに日が暮れた後だった。
「これ以上やったら、流石に殺しちまうからな。頭は多少おかしくなって全く構わんが、身体までぶっ壊したら使い物にならなくなる。おい、休ませる前に消毒しとけ! 腐って血と膿が垂れた牝穴では士気が下がる」
人格を全否定するゲリラ士官の言葉で、ようやくにして初日の狂宴が終焉する。
売られた罪人女どもの尊厳は完全崩壊していた。
これまでの人格そのものが意味を持たなくなって、強制否定されたようだった。わけのわからない天災や大規模事故で意味がわからないのに似てもいた。自分がどうしてこんなことになっているのかさえ意味が曖昧で、耳鳴りがして、過剰加熱で焼き切れたような性器と性感帯がジンジンしているばかりなのだ(快感の余韻と苦痛が混沌として「ジンジンする」としか表現できない)。体中を這い回るような手や口の印象が後を引いて、肌と肉の感覚認識がおかしくなっている。
それでもなお、飽き足らない連中が火照りさんざめく女の肌にオス性器を押しつけて、出がらしの生青臭い種汁をなすりつけていく。全身にインプリントされるようで、しかもその頃には薬のせいで全身が病んだ性感帯のように鋭敏になっていたので、頭の中で「チンポ感」のようなものが氾濫していた。オーガズムの波で丸まって揺れながら呻いている者やらすすり泣きや大泣きして笑い出す者、うわごとを言って制御不能に失禁や脱糞している者たちもいた。
温かいお湯をホースでかけられ、シャボンの液体をかけて柄の付いたスポンジでこすられ、それからもう一度お湯で流された(それでも染みついた何十人もの男とザーメンの臭いはとれず、それが「新しい所有者たち」によるマーキングの洗礼だったろう)。さらに途中で性器と肛門の二つ穴と口の中も医療用ホースで流され、抗生物質と乳酸菌のゼリーを浣腸されてテープで塞がれる。むず痒くてしみたけれども、そんな刺激で感じて濡れだしてくる気がした。
ようやくにして宿命の転換点の一日が終わる。
翌日の二日間は休養。「耐久消費財を壊さないための合理的配慮」だったけれども、必ずしも善意ばかりではなかっただろう。短時間に百人近くに汚されて、男臭い不浄排泄物の穴肉便器になった女なんか、誰もすぐには触りたくなかったかもしれない。
三日目と四日目は、夕方から夜にリピーターと他の者たち。
(あ、夕日が綺麗)
野外の立ちバックで挿入されながら、夕闇がかった森と山を照らすオレンジ色の輝きは、金色の糸とあやどるような煌めき。とても美しかった。
すっかり慣れてしまった胎内粘膜で、脈打つ名も知らぬ陰茎と注がれる無責任な体液の感覚を味わいながら、頬を涙が伝う。
自分の中で何かが決定的に変わってしまっていた。
また擦り切れた生殖器粘膜が悲鳴を上げ、なぶりもみし抱かれた乳房や全身に、忌まわしい触感と赤らんだ手のあとが染みつくようだった。だんだんそれが「普通の状態」に思えてきて、過去の身体感覚がどんなふうだったかがわからなくなってくる。
ゲリラの虜囚女とはいえ、まだ通常の日常は労働時間やローテーションで常時ではないが、「新しい女」というだけで目新しさから連続強姦の頻度は飛躍的に向上している。そんな日々が続けば、次第に壊れた脳が「生きた性欲便所」にアイデンティティを書き換えられていくようで「人間破壊」の現場真っ盛りであった。