ゲリラ村の歓迎会/女傑の悲劇-3
3
「あっ、あっ、あっ!」
漏れ出す声音のトーンが、官能的な音楽のようにたかまっていく。精神的に抗おうとしても、理性が押し流されていくようだった。
気持ちいい。
それは快感。
犬との交尾、人生初だった。
「あっ、あああああァァァァ」
泣きそうな顔と声で何も考えられない。耳の奥で、キーンと耳鳴りがした。誰かが乳房を揉んでいたけれどもそれどころでなかった。そんなことより、鼻先でもう一振りの白い粉が致命的だった。
全部がぶっ壊れてしまった。
「んおおおおォォォ! うっぐ、ふぉおおお!」
ストンと、心理拒絶で抵抗するカンヌキが壊れた。
白目を向いて、弓なりに煮えたぎる女体を跳ね上がり反らせる。感極まった野太い野獣じみた嬌声が嵐のように迸り出る。
愛のない、人間相手ですらない肉交。純粋な冒涜的性欲が行き場のない本能の快感を激しく加熱させる。まるで発情期の動物のようになってしまっている。
オーガズムの収縮のリズムが呼応し合い、禁忌の交接している下半身がそこだけ別の生き物のようだ。犬の牡性器がずっと射精して、大量のケダモノ生物の種汁を胎内に噴出されているのが温かい。死にたい。心地良い。
「おい」
不意に男の声がして、むき出しの尻肌に灼熱が刻まれる。煙草の火を押しつけられたのだ。「ヒッ」と短い悲鳴一時的に幾らか目覚めたようになって、我に返る。
「もう一回しゃぶってやったらどうだ? そいつはどうせ死ぬ。お前のせいで」
胸の中で冷たい何かが落ちるようだった。
目の前には下半身を露出した少年が、上着を血に染めてこちらを見ている。
スーに出来ることは、してやれることは。
(ごめんね、私のせいで)
背後から大型犬に貫き犯されながら、歓喜に泣く牝の腰を引きずり這うようにして、夢中で少年の下半身にしゃぶりつく。萎びれ柔らかいながらもピクピクと震えているのが口と舌に伝わってくる。
少年が感じていることに安堵しながらも、無力感が胸の中で溢れてくる。まるで瀕死の命そのものディープキスしているかのようで。どうしようもない苦悩を忘れようとするように、穢れた雄渾で内側から膨らんだ汚い花園を、自分の指でまさぐっていた。
濡れて膨らんだ秘豆の感度は抜群だった。
それが哀しい。
(あなたに、もっと色々してあげたかった)
涙を浮かべた眼差しで、死にゆく少年とフェラチオしながら目線を交わす。少しだけ、力なくも微笑んでくれた。愛しさに、いっそうにネットリと舐めしゃぶると、まだ柔らかいながらにピクピクと吐精してくる。
生臭いアムリタの雫で、胸と頭がジーンとなる。大波にたゆたうようで、激しいというよりも身体ごと飲まれていくようだった。
(あああ、またイってる)
呼吸困難のように喘ぎながら、四つんばいの太股に熱い小便が漏れ伝うのを感じた。
最初の犠牲者、新たな奴隷の第一号誕生だ。精神が瓦解したスーは犬の腹に音高く放屁して、そのまま気を失った。