Perfume-11
「ほら、こいつを見てくれ。こいつは本当に正直なんだ・・・・」
そう呟いた管理人は微かな金属音とともに、自らの腰のベルトを緩め、自らの足元にそのままジーンズを落下させる。
身体の痺れが残っている中でセリスが上体を起こし顔を上げたのと、
彼女の眼前に男の“肉棒”が飛び出してきたのはほぼ同時だった。
「 !!! 」
これまで様々な男達との遍歴を重ね、様々な形や大きさの“肉棒”を見てきたセリス。
そのセリスから見ても、眼前にちらつく赤黒い肉棒は明らかに“異質”な存在だった。
大きい、という言葉よりも、太い、という表現の方が正確だろう。
そして肉棒の表面に蔓のように巻き付く青い血管が脈打つ様もセリスにとっては“未知との遭遇”に等しかった。
(こんなのって・・・・)
彼女の脳裏に、自分の下腹部そして金色の繁みを押し分けてくる肉棒の情景が無意識に浮かび、
はからずも自分の内面に浮かんだ欲求に対して顔を赤らめてしまう。
一瞬眼前の肉棒から目を背けかけた時、彼女の戸惑いの仕草が合図となったかのように、管理人の肉棒の先端そして熱がセリスの頬に触れる。
背けかけた顔が思わず元に戻ろうとした刹那、
セリスのピンクの唇を押し分けて図太い肉の塊がセリスの口腔内に押し込まれた。
――――――ズ、ボォォウゥゥ・・・・
「ンンゥゥッ!!!!」
一瞬で口の中が一杯になり、セリスは思わず目を見開く。
(こ、こんなの・・・・初めて)
(息が・・・・苦し・・・・顎が、外れそう・・・・)
「こいつを使うには、事前の仕込みをしておかないと、どんな女のでも駄目なんだ・・・・」
セリスの頭上に管理人の言葉が降ってくる。
自らの肉棒がセリスの口腔に包まれている心地良さからなのか、どこかため息混じりの口調になっている。
「その点あんたの腰の締まりからすれば、仕込み次第ですぐに摘み取れそうだ、な・・・・」
(こんなことに・・・なるなんて)
口の中で舌を絡ませて動かすことも自分から吐き出すこともできない。
息苦しさもあり、頭上から男の視線を感じつつも、それ以上のことができないセリス。
それでも舌越しに伝わってくる肉の感触や熱、そして鼻を擽る生々しく蒸せた男の匂いはセリスの身体を敏感に反応させずにはおかなかった。
衣服の下の繁みの中でじんわりと蜜が滲み出したのを自覚しつつ、
この時のセリスの脳裏にはアウザーのことも、ホテルで待ち受ける随員のことも全く思い浮かばなかった。
「じゃあここではなんだから、地下室にいこうか。そこで薔薇を摘み取らせてもらおうか・・・・」
口に含んだ肉棒によろよろと右手を沿わせつつ、セリスは管理人の呟きを全身で聞いていた―――――――――――