(過去前編)盗賊ゲリラ村の虜囚パトリシア-2
2
パトリシアはミレーユの無様さには、諦観に溜め息しそうになるが、他人事ではない。
こうして見られている前で恥部をさらけ見せつけて、自分の指でクリトリス弄っていれば世話はない。先に濡らしておかないと痛いのだから。
待ちかねたように一人目がのしかかって、胎内に不躾に押し入ってくる。気持ち悪いくせに、身体はざわついて生理反応するものだから、最悪な気分になる。乳房を揉みしだく荒々しい手はデリカシーや進歩や思いやりとは無縁のものだ。
「飲ませて。精子」
よほど溜まっていたのか、すぐに射精の予感を察知する。パトリシアもなんとなく慣れて、男の身体がわかるようになった。
「しゃぶらせて! 飲みたいの!」
甘えた声を出す。
このまま膣と子宮にぶちまけられるより、まだ口で飲んだ方がリスクは少ない。特に一発目の濃い種汁には気持ちが警戒してしまう。
やがてズルリと抜け落ちる感覚に安堵する。
「好きだな、しゃぶるの」
目の前に差し出された、臭い男性器を精一杯に頬張ると、褒めるように頭を撫でられた。口の中で生臭い白濁汁がドクドク痙攣しながら溢れ出してくる。
パトリシアは舌を絡めて、吸いついてなぶった。できるだけ咽せなように用心しながら飲み下し、水を飲んで、もう一回舐めてやる。どうせ胃液で消毒されると居直っていた。
「ったく、好きこそものの上手だな。お前、しゃぶるの上手くなったよ」
「だってぇ、その方が面白いんだもん。もったいない。オマンコで出てても気持ち良くないし、口の方が味とかチンチンが可愛いのが良くわかるし。「こんなのがさっきまで自分の中に入ってた」とかメッチャ興奮するし。コラーゲンとかミネラルで健康や美容にいいかもだしさー」
「ハハハ」
媚びへつらう痴女のような言葉が、スラスラと口を突いて転がり出る。
こんなふうに自分とのフィニッシュは「中出しより口の方が気持ちいい」という評価を得れば、それだけで多少とも妊娠リスクは減る。しかもこうして機嫌をとっておけば色々と好都合でもあった。
3
これで何人目だろうか。
たぶん四人目。
仕上げにしゃぶっている傍から、五人目がせわしないバックで挿入してくる。
「んっ!」
驚きと軽い悦楽の音色を漏らして、パトリシアは背中をくねらせる。そろそろ多少とも感じて、身体が火照っていたのは事実ではあった。
口に入れていたコカの葉っぱは吐き出してしまったが、成分はとっくに回っているのだろう。焚きつけと同じ理屈で、昂ぶってしまえば勝手にチロチロ燃え出す。
それに、この五人目は「割りと好き」な相手。
何しろゲリラに皆殺しされた村で拉致されてきて二年目の少年兵士で、まだどこか純情で可愛げがあった。コカ畑での労働のときに手伝ってくれたり、一度などは部屋に花束なんか作って持ってきてくれたこともある。毎回に自分を好んで指名して、しばしばわざわざ順番を伸ばして、忠実に我慢している初恋らしいいじらしさもある(常にではなくとも)。
お互いに優しさや愛情に飢えていた。
(一生懸命に腰振っちゃって)
少しくらいサービスしてやりたい気分で、自分から未熟な陰茎を咥えたヒップを揺らして、クスクス笑いながらなぶってやる。それで少年兵君は悲鳴のように僅かな声を出して、我慢できずにそのまま漏らしてしまったようだった。
「あーあ、口じゃなくて良かったのか?」
「ガキンちょなんて、舐めても。それにこの子で最後だし構わないわ」
もしも万一に妊娠するなら、この少年の種が一番心理的にマシだった。確率の問題だが。
そのまま少年に自分からまたがって、手と口の上半身で大人の四人目の相手をしてやる。乳房や腰回りにすがりつく、まだ無骨すぎない手が少し愛しかった。