晩御飯と発狂ラジオ-2
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ラジオからは、頭のおかしいカルト教団ゲリラの海賊放送を受信することが出来た。
パトリシアは不愉快そうに眉をひそめる。ラジオのスイッチを切りながら、気分が悪そう。彼女は被害者になったことがあるし、両親も殺された。
その教義は「レイプと輪姦で次々に妊娠させて人類を再び増やす」「女に人権はない、問答無用で犯せ」というもの。少子化対策を自称してはいるが、一方的な男根ファシズムだった。子供の妊娠や養育負担のリスクがある以上は、男と女では同じ性欲でも事情が違う。
しかもやり方が「女は人間ではなく孕むための肉と穴だ、人間増殖と遺伝子多様性のためにレイプは正義」「家庭的な意味で責任をとらずに放置しろ」である。堕胎が出来ないように長期監禁されて、村に大きなお腹で泣きながら村に逃げ帰ってくるようなケースが相次いでいる。
お上品そうなセラも、そうして生まれた子供の一人だった。今も彼女の父親はどこかで野盗とレイプに励んでいるのだろう。捕まえた教団の男をなぶり殺しにするとき、彼女は目をキラキラさせて甘えた楽しそうな声で「パパ」と呼び、無邪気な微笑を浮かべたりする(突然に逆上してヒストリーを起こしたり)。それも歪んだファザコン根性だった。
「ん?」
急にお尻に小さな手が触れる。
セラが近くまで膝立ちでやって来ていた。
「今も、パパはどこかで知らない女と。私たちも、こっちはこっちで楽しんでやるの」
少し拗ねた口調で、未熟に濡れた唇から小さな肉食獣のような白い歯を覘かせて。有無を言わさず、まるで仔犬のように金髪でパトリシアの膝を割って潜り込んでくる。セラはこういうときにSの気がある。
繊細で魔法のような手と指にかかれば、根っからのレズビアンでなくても感じてしまう。にわかに潤んだ女の沼を炙られて、されるがままのパトリシアは喉をそらして背筋をのけぞらせる。
「うっ、ううっ、んっ」
痺れてとろけ出す下腹部の真ん中で、膨れてしまった姫小豆がチリチリと快感の電気を散らす。さながらミルクを舐める仔猫のような舌使いのせいで秘蜜の貝殻がわななく。
切ない溜息の快楽の音色が混ざるのは無理もない。
パチパチと甘い火花が爆ぜて、高まってきてしまう。
ちらりと盗み見たセラの顔がとても綺麗で、眼差しは飢えたように真剣だった。その自由になった小さな手が自分自身の慎ましい秘所を慰めているのは明らかで、小さな形のいいヒップが、半分ジーンズから綻び出て魅惑的に揺れ震えている。
こんなふうでは、パトリシアも否応なしに釣り込まれてしまう。セラからすれば特別な愛情表現で、同性としても羨み憧れるような美少女なのだ。おかげで性癖が開発されてしまっていた。
(あっ! きちゃう!)
目が合ったとき、気持ちのせいもあって生理反応が極まってしまう。セラの鬼火のような瞳は淫欲で酔ったようで、自涜する手のせわしなさが背筋に現れている。パトリシアはとっさに逃げるように視線を振り仰ぐ。
オーガズムの涙に滲んだ星空は、陶酔の神秘に煌めいていた。