ふたりに狙われて-2
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あの旅館に行ってから数日がたった。
父ちゃんのようすが変になっていった。
何が変、かと言うと目付きがいやらしくなっていった。
そのようすから、あの夜私が強姦されるとき、一瞬ふすまのすきまから感じた眼光は、父ちゃんのものだったんだと確信していた。
でも、私はわざとこれまでの私でいた。
いくらなんでも、相手が父ちゃんの兄なんだから、私がそのひとを罪人にするような事は言えないだろ、と思ってたんだ。
夏のように暑くなったある日の夕方、私は体育で汗をかきまくって帰った。
シャワーをあびに浴室に入ると、家に先に帰ってたらしい父ちゃんが、私のあとに入ってきた。
父ちゃんは全裸だ。
「……どうしたの?」私が戸惑いながらもそれだけ聞くと、父ちゃんは何も言わず私を床に押し倒した。
倒された……けれど、父ちゃんの腕が私の後頭部に先回りしてたから、たいした衝撃はなかった。
父ちゃんは裸の私の上に乗っかると、いきなり私の乳房をつかんだ。
「ちくしょう……ちくしょう! あの野郎……あの野郎……」
そう言う父ちゃんの息は酒臭かった。
「俺の……俺のみな子を、汚しやがって……汚しやがって……!」
父ちゃんが言う「あの野郎」、それは自分の兄であるおっちゃんの事だ。
「あの野郎……、いっつも俺のもん(物)をまず自分のもんにして、使い古しにして俺に回して来よった…… 物だけやのうて(なくて)、俺の大事なみな子にまで手を出しやがって!」
父ちゃんの声は、浴室の中いっぱい酒臭くした。
父ちゃんは、いきなり私の乳首を口にした。
「いやっ!」
この前、おっちゃんは私の乳房をつかんでただけだ。
だけど父ちゃんは、乳首を舐めながら吸ってる。
いやっ、と思わず声が出たのはすごくくすぐったくて、気持ちよくなってしまったからだ。
父ちゃんは乳首から口をはなし、私の乳房の間……お腹へと舌を動かしていった。
「父ちゃん、やめて…… 私、汗臭くなってるから、シャワーだけ……使わせて……」
私が浴室の天井に向けてこう言うと、
「みな子のカラダから、臭いものなんか出て来えへん。」
父ちゃんはそう言って、私の身体のずっと下のほうへ舌を進めていった。
「俺は……」父ちゃんが言う。「初めて会った時から、みな子が好きや。そやからみな子に嫌われるのがイヤで、みな子のカラダをこっそり撮ったり下着のニオイをかぐくらいの事しか出来ひんかった…… そやけど、ガマンなんかするんやなかった…… あの野郎に汚される運命が待っとるんやったら、俺が先に汚しとくんやった……」
「何言うとるんよ…… 何が運命よ…… 第一、初めて父ちゃんと会ったとき、私まだs学二年生やったやんか……」私はそう言いながらも、父ちゃんの舌がおへその下をくすぐりはじめたのを楽しんでいた。