春のうららの闇-5
それは裏返しに置かれたインスタント写真だった。
なんとなくそれを手にしてみると、どアップでダブルピースをした笑顔の るぬが写っていた。
るぬはコンクリートの地面の上にあお向けに寝ている。その、るぬの装いに覚えがあった。
「あの日、緑地公園に行ったときの服やなぁ。」
そして、るぬのピースサインの指が何か挟んでいる。
僕は、僕だから気づいた。
「僕のポコチンやなぁ……」
写真の下の余白には、キラキラするバラの花のシールが貼られ、るぬの筆跡でこう書かれてあった。
奪ひ(うばい)たりっ!!
僕はその写真をもと通りに置くと、ベッドの上で軽くオナニーをしながら考えた。
(誰が撮ったんだろう?)
【おしまい】