迷わず、素早く!-1
K校生の下校時間だった。
ショッピングセンターの書店には、立ち読みをする何人かの制服の女子たちがいた。
僕はその中のひとりに近づいた。
「きみ……」
「はい。」
声をかけてふりむいたのは、公立K校の制服を着た眼鏡の似合うコだった。
僕はそのコの、胸のふくらみの谷間にひとさし指を突きたてた。
「きみ、ここにタトゥー入れてるでしょ。」
「…………!」
女のコは、見知らぬ僕にいきなり胸をつつかれたことより、それを告げられたことに大きな一撃を受けたようだった。
「ちょっと、僕について来てよ。」
「…………」
女のコは、僕のななめ後ろを歩きだした。
ショッピングセンターと駅の間には、ひょろ長い雑居ビルがやたら建っている。
僕たちは、大通りから少し奥にあるビルの階段を昇った。
途中の踊場で僕は言った。
「タトゥー……見せてよ。」
「…………」
女のコは肩のカバンをおろすと制服の上着を脱ぎ、ブラウスのボタンをはずし、前を開いた。
(おぅ……)女のコの乳房のふくらみの谷間には、赤いバラとそれにとまる黄色い蝶が描かれていた。僕はそれを見て、カバンを開いた。
「……撮らせてよ。」
僕はカバンから取り出した、インスタントカメラを構えた。そして
「ジャマだから、ブラジャーはずしてちょうだい。」
と言った。
女のコが僕の言ったとおりにブラをはずしたら、可憐な乳首が現れた。僕はシャッターを押し、フラッシュを閃かせた。
ジーッ!
カメラの前にフィルムが押し出されてきた。
「…………」
「ちょっと、きみ。」僕は女のコの乳首を指先でさぐった。「ここ、アナあけてるんだね。」
「…………」
僕はカバンの中をさぐった。「ちょうどいいのがあった。こないだカプセルトイで出てきたんだけど、使いようがなかったんだよな。」
僕は小さな袋から、おもちゃのピアスを出した。その釣り針のように曲がった金具を、女のコの乳首のアナに差しこんだ。
「似合うね。」乳首に模造宝石をきらめかせる女のコを撮影すると、僕は女のコに残る違和感を確かめに下半身に手をのばした。