【カッセル守備隊】-4
女は寒々とした寝台に横たわっていた。
私は誰・・・
断片的に記憶は残っているが、覚えていることといえば・・・
ベッドに縛り付けられ、天井の眩しい照明を見ていた。しばらくすると深い眠りに落ちた。目が覚めると右手と左足にギプスが嵌められていた。自分の物ではないように重く感じた。
何日かして連れて行かれたのは、石やレンガの積み重なった廃墟だった。ぽっかりと開いた穴倉に突き落とされ、稲妻が光り、風が吹きつける暗闇を彷徨い・・・気を失った。
気が付くと、この寝台に寝かされていた。助けてくれた人たちの話では、地下牢に倒れていたということだった。
包帯を取ってみると、右手と左足には蓋があり、その中には歯車のような部品と、それを繋ぐ金属線が埋め込まれていた。
これを見られてはいけない。
私は普通の人間ではないのだ。