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今日のママはだれ?
【ファンタジー 官能小説】

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お日さまが沈むまでに-3


     ▽

 二人が雑居ビルを出ると、太陽はすっかり西に向かい、遠くのタワーマンションの上層階の窓からオレンジ色の光がはね返っていた。

 「ごめんなさい、ママ。」しょう太が言った。「すっかり時間忘れてしまってた。」
 「いやー、」あき音が笑った。「私もうっかりしてたわ。日没ずいぶん早くなってるからねぇ。あのまま私が離れてたら、しょう太を強姦犯にするところだったわ。」

 あき音のその笑顔が、ふと消えた。
 「ねぇ、しょう太。」
 「なあに?」
 「さっき言ったこと、あれ、本音なの?」
 「あ……」しょう太はさっき、あき音に向かって「売女の娘」だの、「何人のオトコをたぶらかしてきたんだ」などと汚い言葉をぶつけたことを思い出した。

 「そんなワケないよ。あのピアスやタトゥーで侵されたカラダ見たら、つい言葉で罵りたくなってしまったんだ。」
 「なるほど。」あき音に笑顔が戻った。「それ聞いて安心した。」

 タワーマンションの下部がだんだん薄黒くなってきた。
 「じゃ、」あき音はしょう太の唇にキスをした。「ここで別れましょう。今度また、いいコ見つけたら楽しもうね!」

 そう言って後ろを向いて歩き出したあき音は、急に足どりが乱れてビルの壁に手をついた。
 「だいじょうぶ?」かけ寄ってあき音を支えたしょう太に、「だいじょうぶよ……」とこたえたあき音は、股間を押さえた。

 「それにしても、何度やってもロストバージンの痛みって、慣れがこないわねぇ……」


 【おしまい】


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