不純な憧れ-2
ある日、お昼休みの次に球技大会の練習があてられたので、体操着で運動場の片隅にいた私に、
「y子さん。」c也クンが声をかけてきた。
あのc也クンが、私に声をかけてきた……ドキドキして返事もできずにいるとc也クンは、
「ちょっと、そこにいて見張っててくれる?」と言った。
「見張る……?」私のその言葉が終わらないうちにc也クンは言った。
「体育委員だから色々やってて、トイレに行けなかったんだ。そこに隠れてションベンするから、ほかのヤツが来ないように見張っててよ。」
「わかった……」私がそう言うとc也クンは、大きな木のまわりにたくさんのびた雑草の奥に飛びこんでいった。
私は自分が目立ってもまずいから、少し姿勢を低くして運動場の向こうから、あやしい人影が近づいて来ないか見ていた。
「ありがとっ、変なこと言ってごめんな!」
その声にふりむくと、c也くんはそこにあった掃除用の蛇口で手を洗って、手をパタパタさせながら走り去っていった。
私はとり残されたまま、ボーゼンと立っていた。
c也くんの言葉が頭の中をグルグルしていた。
(私……c也クンの『他のヤツ』じゃないんだ……)
その夜私はベッドに入ると、いきなりわたし自身に指をのばした。
これまではわたし自身に触れるだけだった指が、自然に小刻みに動いてくすぐったさを高めた。
それは……わたし自身に触れるとき心に浮かべていたものが、妄想から自分の心に記憶された映像になったからだ。
(私…… 他のヤツに見られないように見張りを頼まれたのに、私が見てしまった…… c也クンの『彼自身』……)
c也クンの、彼自身からほとばしるたくさんのションベンが、私の心に焼きついている。
(c也クン……ガマンしてたんだな……)
そして、その記憶の映像に私の妄想が重なる。
c也クンの彼自身の前に手桶を当てて、ションベンを受けとめる私……
c也クンの前にしゃがんで、いっしょにションベンを放つ全裸の私……