地下鉄で愛しい幽霊と情交した少年(後編)-4
6
女の急所に刺さっていた脈打つ肉杭を抜いたアヤは、スカートから取り出したハンケチで自分の秘所を抑えた。今度は口で男性自身を愛撫し始める。そんなことをやりながらも、器用に片足に引っかかったパンツを脱ぎ捨てて。その間にもハンカチで押さえたところの指は意味ありげに動いていたけれども。
飽き足りない少女の眼は無邪気なまでにキラキラと、しかし貪欲に輝いていた。たぶんこの程度で済ませるつもりは全くないのだろう。
射精直後で敏感になった性器粘膜への刺激で呻く兄を面白そうに上目遣いしながら、アヤは舌と唇の口技を駆使した。
「上手になったじゃないか?」
「そうなの?」
過去の記憶を手繰って喘ぎながら強がる兄を、アヤはそれでも淫らに虐め続けた。
どうやら丸ごと頬張るようにする癖(挿入の替わりのつもりもあったようだが)は変わっていないが、口の中で玩ぶやり方が随分と巧みになっている気がする。頬粘膜で擦りつけながら、舌で鎌首や裏筋をくすぐってきたりする。
とうとう手でその頭を押さえても、クスクス笑いながら陰嚢を指揉みしてマッサージしてくる。チュウチュウ吸って最後の一滴まで搾り出させて、さらにもう一度復活させるまで離さないつもりらしい。
どうにかなりそうで悲鳴を上げるリクを逃がそうとしない。
「待って、ちょ」
「んっ、むっ」
「アヤ、やばいって」
「ふっ、むっ、ふ」
無言でたまに顔を窺いながら、アヤは鼻息を荒げながら責め倒した。
こういう容赦がなく満足を求めるところがあったのは昔からだったけれど、この異世界の成長したアヤはなおさらに露骨ですらあった。
ようやく解放されたときには、いったん弄り尽くされて萎んだものがまた充血しかけた頃合だった。まだまるで舌のザラザラした温かみが這いまわっているような感覚が残っていたけれども、唾液に塗れたせいで空気が涼しかった。
アヤは急に神妙にしおらしくなり、女の覚悟を固めたように立ち上がって桃尻を差し出した。スカートを捲った陰部からは、早くも吹き零れた愛蜜と逆流した精液の名残が内腿に伝い流れている。ハンカチで押さえ拭っただけではどうにもならなかったらしい。
「お兄ちゃんの番」
攻守交替を促しているらしい。たしかに二度目ならば、幾分かは持ちもいいことだろう。
7
突きつけられた光景はあまりにも生々しかった。
たしかにリクは過去にも、これと似たような妹の痴態を何度も目の当たりにしたことがある。けれどもそのときは愛液の雫は清浄に流れて、精液による汚れも外面に付着していただけだった。
今の場合には既に「女」になった牝壷の恥部は内側から汚されて、やったのは他ならぬリク自身なのだ。しかも別世界のリクと性の交合経験を繰り返して小慣れ、開発された女が本番の交尾を重ねることを待ちわびているのだった。
思い出と今の飛躍が少し寂しく、そして激しく心身がそそり勃った。
(今度は僕がアヤを悶えさせてやる!)
リクは牡の闘争心を滾らせて、アヤの腰を掴む。
先ほどの一回戦は極楽境を堪能しつつも情けなかったし、自分だけ心地良くなって愛する異母妹に我慢させるのは本意ではない。それにリク自身も、まだあれくらいでは全然足りないのだ。
一方の純情と欲望の混じった期待に胸を高鳴らせた少女は、女として完膚なきまで打ち負かされる予感と希望にうち震えていた。
だからアヤは既に沸騰したうら若い陰部を晒しながら、誘い腰を振ってねだる。
「好きにして、早くチンチン頂戴っ!」
「アヤ!」
擦れた声で名前を呟きながら、非道なまでに硬くなった肉刀をズブリと突き入れていた。
まるで濡れそぼる姫洞のぬかるみをこじ開けるかのように過酷なほどの圧力で貫く。
「アアうっ!」
あまりにも迷いのない挿入振りにアヤは顔を顰めて悦の悲鳴を上げた。
それだけで快楽を感じているらしく、愛蜜を吐く胎内がピクピクと震えている。
ましてやリクのペニスは硬さと大きさを先ほどにも増して怒張させているのだから堪らないのだろう。淫乱でスケベに育った愛妹はブルブルッと腰砕けになって、座席の背もたれに捕まって身を支える。
それもどの途に同じことだった。
どうせリクが腰を鉄のように捕まえて離さないのだから。
「ううぅぅ」
アヤはもがくように肩と背筋を震わせ揺らす。
ただでさえ挿入が深くなる体位で、しかも初手から一番奥まで突きこまれたのだから。