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ドッペルゲンガーの恋人/過去からの彼女(官能オカルト連作短編)
【幼馴染 官能小説】

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地下鉄で愛しい幽霊と情交した少年(後編)-2

3
「それとも、止める?」

 再度の挑戦の言葉で、リクの理性は吹き飛んでしまう。考えるのも億劫だった。

「あんっ」

 まるで待ちわびたかのような。可愛らしい悲鳴。
 リクの飢えた手はアヤのスカートの尻に伸びていた。
 柔らかな桃肉を鷲づかみに揉み、もう片方の手を柳腰に廻して抱き寄せる。

「あっ、やんっ」

 どこかわざとらしく、慣れた感じがする艶っぽい嬌声。そのくせ思い出の中の知っている声音とオーバーラップする。昔からこうだったのか? その境界が俄かに判別できないし(同じ妹のアヤなのだ)、美しい記憶が塗り替えられていくようだ。
 それが気に入らなくも異様な興奮をそそる。寂しさと愛しさが胸中に混ざる。

(こいつ、何なんだよ?)

 少なくとも彼が知っているアヤではなかった。
 たとえ感じるにしてもあからさまでなく、どこか恥らって押し殺し、それでいて切なげだった亡き妹とは違ってしまっている気がする。いったいどんな経験をすればこんな風になってしまうのか、考えるだけで虫唾が走りそうだった。
 そのくせ自分自身もまた、それと同じ道筋を辿ろうとしているのだ。ズボンの中のイチモツはとっくに充血して張り詰めていた。

「やっ、優しくして」

 服の上から胸乳を揉みしだくと、アヤは眉根を寄せて少し痛そうに身をくねらせる。そのくせ、兄の性急で口惜しさの滲む態度をどこか楽しんでもいるようだった。
 スカートの裾から滑り込ませた手でスマートな尻朶を撫でれば滑らかに汗ばんで、パンティは湿りを帯びているようだった。それが汗だけでないのは明白で、クロッチに指を潜り込ませるとぬめった温度が伝わってくる。身体の成長のせいなのか、それとも他の経験がそうさせたのか、過去よりも惜しげのない濡れ方のようだった。
 しかもまばらな柔毛でしかなかった陰毛までもが、豊かに生え揃っているようだった。

「んっ、ふっ! ふぅ」

 指先でうるんだ姫溝と敏感になった菊穴をくすぐってやると、アヤは微かに悶えた。
 さながら不意打ちを喰らったようでいて、待ちわびてそういう官能反射をするのだから性質が悪い。うら若い牝の粘液は貪欲なよだれのように指に絡みついてくるし、濡れた蜜の肌と汗ばんだ下着の中の湿気は手にまで流れてくるようだった。
 アヤは心なしか吐息を火照らせ、上から覗き込むような体勢で、自分の襟ぐりを引っ張って魅惑のトンネルを突きつけてくる。カッターシャツの第二ボタンまでが解け、汗と肌の熱気とともに、懐かしくも甘さを増した馥郁とした体臭が顔に吹きつける。
 垣間見えるブラは、リクが知っているような幼いものではなく、清楚ながら大人の女性のような本格的なもののようだった。

「可愛がって! リク兄に見て欲しいの!」

 息を呑む兄にアヤは堂々と誇らしげに誘い甘えた。
 どうしても慌ててたどたどしくなってしまう、片手でボタンを外そうとする兄を押し止めて、彼女は自分で白いシャツの前を解き肌蹴た。さらにフロントホックを解くと、リクがついに知ることがなかった、成長して美しさを咲かせた麗乳が眼前に広がる。
 異母妹の顔と密やかな乙女の胸元を交互に見ながら、リクはつい目を皿のようにする。目と鼻の先で魅惑の双乳が揺れる。距離はほんの二十センチもない。
 口を寄せて乳首を吸うのに手間はかからなかった。
 歳相応の性徴に量感を増した白磁の花房肉に顔を埋めるようにして、リクは色素の薄い、繊細なゴムのような乳輪と乳首を丹念に愛撫し味わった。片手がパンティの中に拘束されているのがもどかしかったが、位置が悪いことに気が付いて反対側に吸い付きなおす。そうして空いた乳房はじっくりと観照しながら手で丁寧に触ってやる。
 夢中になっているリクの様子を、アヤは愛に溢れた眼差しで見守っている。


4
 やがてアヤは身体を浮かせて、パンティから片足を抜く。
 意図を察したリクも自分のズボンを膝まで脱いで、裸の尻で床に腰を下ろした。

「その、リク兄って、童貞? そっちの私やサエさんとは、してなかったの?」

 唐突に訊ねられ、リクは考えるまでもなく素直に頷いて返事してしまう。なんだかペースを異母妹に握られっぱなしのようだった。
 どうやら少しばかりお互いの事情が違うようで、この別世界のアヤの「リク兄」は彼よりもやり手だったのだろうか? 

「紗枝(さえ)さん、わからない?」

「サエって」

「三沢紗枝さん」

「知ってるけど、三沢紗枝と僕がどうかしたの?」

 存在そのものは知っている同級だけれども、そんなに深い付き合いはない。面識だけあった同級生でしかない。ちょっとした違いで運命が変わるものなのか?
 念押しするようなアヤの言葉に包み隠さぬ態度で応じると、彼女は頭を振ってほくそ笑むような愉悦の表情を浮かべるのだった。

「いいの。だったら、今度こそは私が貰ってあげる! 私の方がこれからリク兄を男にしてあげるんだから、覚悟して!」

 どうやら口ぶりからすれば、向こうの世界では三沢紗枝とアヤの間で彼の争奪戦でもあったのかもしれない。


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