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ドッペルゲンガーの恋人/過去からの彼女(官能オカルト連作短編)
【幼馴染 官能小説】

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腹上死ハネムーンの花嫁(最終話)-4

5
「そら、こっからが本気の本気なんだから」

 莉亜が腰の上に跨ってくる。
 ペニスの鎌首を自分で掴み、そのままズブリと姫口を貫いて腰を落としてしまう。

「ああ」

 莉亜は感動の濡れ声を上げた。きっと心密かに、一番待ち望んだ瞬間だったのだろう。
 これまでの攻めの前戯の間に濡れそぼって潤っていたから、待ちわびた女の身体は正直で、挿入を受け入れるのに何の抵抗もないくらいだった。
 なまじっかより痩せているだけに、膣穴の襞の泡立ちや奥肉の構造がより生々しくダイレクトに伝わり、リョウのペニスに密着してくるようだった。昂進する充血に膨らみきった亀頭がゴリッとGスポットを擦るのがハッキリわかるくらいだったのだ。

「固い、うふっ」

 莉亜は彼の男の勃起具合に満足したようだったけれども、こなれながらも男を受け入れたことのない生膣の悦楽は、さながら痺れる薬効のある泥の温泉のようだった。
 けれども快感の凄さもさることながら、リョウはもう一つ気を取られたことがあった。

(軽い?)

 あのもう一人の莉亜よりも体重が幾分か軽い気がする。それに腰と腹に触れる内腿の感触も、筋張って細くなっているようで、そのことがとても哀しかった。
 莉亜がゆっくりと味わうように腰を振っている。

「あー、リョウのチンチンでいっぱいになってる」

 ウットリとした夢見心地の眼差しはリョウを上から見守っている。
 玩具の一人遊びでなれていて、とっくに苦痛はないらしく、かえってキュッキュッと締めつけてくる。わざとやっているようだったが、これも「練習の成果」なのだろうか。

「アッ、アッ、きもちいいよっ! チンチンがおまんこ入ってるのに、我慢できなくってクリでマスまでかいてるの、クリが真珠になっちゃう、キュンキュンする」

 莉亜は身体を反らせて開ききった脚の間に、自分の手指で姫豆までクリクリと弄り(丸見えだった)、己の痴態を見せつけんばかりだった。わざと卑語でやっていることを解説してくるところなどは、わざとやって楽しんでいるのだろう。
 入院服を着たままで上半身を隠している分、せめて精一杯にサービスしようとでも思っているのかもしれなかった。彼女は恥を捨てているし、そんなことを気にかけるような心の余裕もないのかもしれなかった。

「どう、アソコいいでしょ?」

「うん。すごくあったかい」

 リョウは結合部の悦楽と心中の悲壮を噛み殺して答えた。

「もう一人の莉亜より中が気持ち良くて、すぐ出そう」

「うふふ、やったぁ! ふふふっ!」

 濡れた女の眼差しで笑顔を咲かせた莉亜が、病室のベッドで女上位に跨って繋がったままに、愛しい少年の顔にこの上もなく優しいキスの雨を降らせる。

「何回でも出して」

 けれどもリョウは急に不安になる。

「でも妊娠するかも。身体、危ないだろ」

 だが莉亜は平然としていて、月の灯かりのような微かな儚い微笑をたたえている。

「いいよ。リョウにだったら何されても、私、死んでもいいよ」

 その言葉でリョウは強いショックを受ける。
 莉亜は文字通りに「命がけで」やっているのだ。
 それに莉亜の体のことを考えれば、せめてコンドームを着けるなりして、余計で過剰なリスクは可能な限り避けるべきだった。もしも妊娠させてしまったとしたら二人とも育てられる年齢ではないし、最悪は莉亜の命に関わるだろう。どうして気が廻らなかったのかと自分で自分の頭を小突きたくなる。
 リョウは胸が詰まるような辛さを覚えた。

「莉亜、飲んで。莉亜の口で出したい」

 このまま膣中で射精してしまうよりは安全だろう。
 すると莉亜は優しい表情でそっと脇へどいた。思いやりを察したらしい。
 まだ固いままのペニスがずるりと抜けて、勢い良く反り返り跳ね上がる。

「心配性だなあ、リョウは。ほんとは莉亜の中がいいくせに。全部食べちゃうよ?」

「うん。好きなだけ、莉亜の喉の奥まで咥えて」

 人差指でリョウの頬を突っついてから、また特技の「おしゃぶり」を再開する。彼女の手は病院服の裾から、寂しくなった秘密の花園を慰めまさぐっていた。
 リョウは手を伸ばしてそのお尻を撫でて、飢えた姫穴にそっと指を挿れてやる。それだけでなく顔の上を跨がせ、舌を伸ばし挿し込む愛撫でほっそりした腰と背筋を悶えさせる。
 莉亜は泣くような気配のままに妄執のような細い指でペニスを強く握ってきた。

「ねえ、リョウ。今度はお見舞いにコンドーム買ってきてよ」

「うん」

「それから、さ。私、できたらそのうちお尻の穴もちょっとは練習しとくから」

 熱っぽく目を潤ませた彼女の言葉は図らずも、的を射た予言となった。


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