夏から初冬への企み-2
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Q恵とV平は、ミルクティーとスコーンなどを手に提げて、城址公園にやってきた。
Q恵は不ぞろいな石段に、ローヒール風のサンダルをはいた足をとられそうになるのを、V平に支えられながら言った。
「ちょっとしんどい所だけどお店混んでたし、キミが私みたいなオンナといっしょにいるところ見られて、クラスの女の子たちとの関係にヒビが入ったりしても困るし。」
「そんなコ、いないって……」V平は苦笑した。
二人は石垣のカゲにもぐりこみ、石に腰をおろした。
紙コップに入ったミルクティーを飲み、スコーンなどを口にするうちに、Q恵は小さなポーチから何かを取りだした。
V平はそのQ恵の姿を見て、戸惑いをおぼえた。
「お姉ちゃん、タバコ吸うんだね……」
Q恵がポーチから取り出したのはタバコとライターだった。
Q恵はタバコを口から離しては、煙を吹き出して言った。
「吹かしてるだけなんだけどね。それとも、V平クンみたいなマニアともなれば、煙を肺に入れなければタバコ吸ったことにならないのかしら。」
「マ、マニアって何…… っ!」V平の言葉はさえぎられた。Q恵がいきなり片方の脚を揺らしてサンダルを脱ぎ、足をのばしてV平の股間に突き入れたのだ。
「あっ、お、お姉ちゃん……」
「何、これ? 何があって、こんなにチンポ硬くなってしまってるの?」
「あ、あの……あっ……」
Q恵はタバコをくわえたまま、V平にグイと身体を寄せた。V平はQ恵が吹きだす煙を顔に受けながらも、Q恵をジッと見つめていた。
「キミが」Q恵はV平にささやくように言った。「天体観察の合宿から帰ってきた日、お母ちゃんから電話あったでしょ。」
「あった…… あの電話があるまで寝てしまってた……」
「あれ、キミを起こしてもらうために私が頼んだの。あの日、キミが寝てるところ私見てしまってね……」
「え?ええっ……」
「キミのあんなところ、お母ちゃんが見たら家族会議になるところだったよ……」
「ご、ごめんなさい……」
「ま、あやまるのは私の方だけどね。あの日、キミがオナニーに使ってたタブレットの画像を色々見せてもらったの。」
「やだ……」
Q恵は、ズボンの奥で窮屈に折れまがっていたV平のチンポを引っ張り出した。それを手で握りしめてQ恵は言った。