姉ちゃんの寝顔に-1
居間に置き忘れられてた、姉ちゃんが読んでる天文雑誌をペラペラめくったら、ネットの記事をプリントアウトした二枚のたたんだ紙が出てきた。
何の気なしに読んでみた。
━─━私には同級生の彼がいます。お休みの日には、よく二人で出かけます。
ところが彼は、まわりに誰もいないと いきなり私の胸をもむようになりました。
時には上着の中に手をつっこんで、乳首をつまんだりするのです。
私は「そんないやらしいこと、やめてほしい」と言うのですが彼は笑って「好きどうしなんだからいいだろ」と言うのです。
でも私はこのままだと、彼のいやらしいことがもっとエスカレートしていきそうでこわいんです。
彼にどう言えばよいでしょうか?
(s学6年生・女子)
─━─私は、私のことを好きになってくれる男の子がほしい。
私の胸をもんだり、ショーツの中に手を入れたりするいやらしさがあってもいい。
ほかの子に浮気しないのなら、セックスだってしてもいい。
でも同じ学級の男の子たちは、みんな同じ女の子にあこがれている。
たぶん、その子を好きだと言っておけば無難なんだからと思う。
私と(相手の)男の子二人だけしか知らない関係がいい。
(s学6年生・女子)
━─━─━
(『思春期の性のお悩み』だ……)
僕は何度も読んで、同じ学年である僕のまわりにいる女の子たちも、こんなこと考えてるんだなと思った。
(好きな男の子がいたら、胸をさわられるのがイヤだって言って、そんな男の子がいなければ、胸さわるくらいかまわないって言って……正反対だな)
僕は、その紙を雑誌に はさみなおして考えた。
(姉ちゃんは、どっちなんだろう?)
姉ちゃんは、僕が認めるキレイな女のひとだ。
そして、僕と父以外の男のカゲを感じない。
だけど、こんな記事に関心寄せてるってことは、姉ちゃんは「男にさわられている」のか「男にさわられたい」のか……
僕はs学3年生からのことを思い出した。
姉ちゃんはc学生になるから、いっしょに学校に行けなくなった時のことを。
姉ちゃんはc学生になって、その制服も似合っていて毎日毎日キレイになっていった。それが僕には嬉しかった。
でも、もしかしたらc学生になって、まわりの男たちのナニかが、姉ちゃんをキレイにさせていったのかなぁ……。