「浮気編」-10
しばらくして、小さなノックの音がしたあとに、妻が健介の部屋に入ってきた。妻が、「あまり緊張しないで」と優しく声をかけた。健介はあまり喋らず、かなり緊張しているようである。
無理もない。もし私が健介の立場だったら、興奮が収まらないだろう。私から見ても、妻の外見は男好きのするいい女だと思う。それはあの温泉旅行で襲われた男二人もそう言っていたのだから、間違いないだろう。
膣穴の具合の良さは、もしかすると父親であるあの鈴木社長から聞いているかもしれない。そんな人妻から、ナマでセックスの指導をしてもらえるのである。私も大学生の時に、こんな羨ましい状況になっていたらと思う。
妻は、ゆっくりと歩いて行き、ベッドの上にいる健介の横に並んで座ったようだ。この時の妻は、あまり色気のないパジャマ姿だったが、豊満な胸は隠しようがない。
娘を産んでから胸のサイズが大きくなっており、以前のGカップから今はHカップになったと聞いている。
おそらく健介は、風呂上がりのせっけんの香りと、人妻ならではの色気を隣で感じ取っているに違いない。おそらく興奮しているのは妻も一緒のはずである。なにしろ、友紀には久しぶりのセックスで、出産後は初めてのはずである。
しかも、夕食時には半ば強引だったが、私が妻にワインを勧めていた。実は、社長夫人からいただいた外国産ワインで、真偽のほどは分からないが性欲を高める効果もあるらしい。
二人とも緊張しているようだが、いよいよその時が始まろうとしていた。いくら私が認めているからといって、これは妻と若い男との浮気セックスであることに違いない。
しかも、夫が同じ家のなかにいるのも関わらずだ。私の興奮は、最高潮に達していた。
「け、健介くん・・。緊張してるよね・・。私も、こういうの久しぶりだから・・。上手くできるか分からないけど、でも、もし早く出しちゃったからって、ぜんぜん気にしなくていいんだからね」
「友紀さん・・。あ、ありがとうございます。お、俺・・、友紀さんと旦那さんに、なんて御礼言っていいか・・。とにかく嬉しいです」
「いいのよ。主人は、とても理解のある人だから。たぶん、許してくれると思うわ・・。じゃあ、まずは私の手で・・、いいのかな・・」
「あ、はいっ! お願いしますっ!」
「健介くん、あまり大きな声は駄目よ」
友紀が笑顔でそう言った。健介も笑いながら、頷いていた。
しばしのあいだ、友紀は「健介くんって、すごく鍛えてるよね」などと何気ない会話をして、血管が浮き出た若い男の腕を触ったりしながら、少しでもお互いの緊張を和らげようとしていた。
そして、頃合いを見て、友紀は座ったままで、ゆっくりと健介の股間に手を伸ばしていった。
「す、すごいね・・。こんなに大きなテント張ってる・・。それに・・、すごく硬い・・」
友紀は久しぶりに触れる男性器に身体を熱くしていた。もちろん、夫への罪悪感がないわけではない。
しかし、あの温泉旅行を終えてから、友紀の部屋にわざわざ大型テレビを設置し、犯されている様子を画面で見ながら、夫婦は熱い交わりを繰り返したのだ。
最初は、夫から勃起不全を治すために協力してくれ、と言われて仕方なくであったが、次第に友紀のほうにも興奮が伝わり、かつてないほどに夫婦は燃え上がったのだ。それが夫のためになるなら、友紀は受け入れるしかなかった。
今回、社長から提案を受けた際も、もしかしたら夫なら、こんな無茶な提案も受け入れてくれるかもしれない、という気持ちがあった。
(もしかしたら、ドアの向こう側で聞かれているかもしれない・・)
友紀は、夫がこっそりとドアの向こう側で盗み聞きしているかもしれないと思っていた。
普通なら、そんな状況で自分がセックスを楽しんで声をあげるわけにはいかないが、しかし、自分もこの若い男性とのセックスを楽しんだほうが夫も喜ぶのかもしれない、という葛藤に悩まされていた。
そんな状況のなか、友紀は健介の短パンと下着を脱がした。それまで大きなテントを張っていた巨大な肉棒が、窮屈な場所から解放されたようにブルンッと姿を現した。
「あ・・っ!」
友紀は思わず小さな声をあげ、すぐさま手で口を塞いだ。想像以上だったのだ。まだ二十歳にもなっていない大学生の男性器が、これほどまでに雄々しいとは思っていなかった。
大きさはあの温泉旅館で犯された源太に匹敵するほどであった。しかし、亀頭部には、まだ皮が若干被さっており、肉棒の先端が少し見えている状態だった。
「す、すみません・・。あの・・、俺・・」
そんな肉棒を見られて恥ずかしくなったのか、健介がうろたえている。
「健介くん、いいのよ・・。まだ若いんだもの・・。気にしないで。私がしてあげるから・・、痛かったら言ってね」
友紀は健介のことを気遣いながら、できるだけ優しく接した。友紀は肉棒の一番太い幹の部分を優しく握ってしごいていたが、しばらくすると、長い黒髪をかき上げ、ゆっくりと顔を下げていった。