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『愛実』
【その他 官能小説】

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『愛実』-1

『うわぁーっ……終わったー……』
チャイムの音が鳴り止まないうちに、机の上にシャープペンシルを投げ出して、セーラー服からヘソが覗くくらい大きな伸びをする愛実……今日は期末試験の最終日……結果はどうであれ、何とも言えない解放感……

 愛実は、中学二年生……濃紺のセーラーに白いスカーフ、短い髪の毛の後ろを黄色いゴムでチョコンと束ね、雀の尾の様な後ろ髪が愛実のトレードマーク……

 ホームルームが終わると一目散に、教室を飛び出す愛実……小さな体に大きなカバンを担いだ少女が廊下を駆け抜けて行った……
 学校から帰ると、一直線に階段を駆け上がり、自分の部屋の扉を開け、大きなカバンを、机の上に投げ出した……
 ピンクを基調とした愛実の部屋……ベットの上に白いスカーフがハラリと舞い降り、セーラー服の上着を脱ぐ……成長途上の小さな胸を包む純白のブラジャー姿になった愛実……何やら急いで着替えている……

 クリーム色のタートルネックにバーバリーチェックのミニスカート、膝頭まで隠れる様な黒のハイソックス……机の脇の鏡に自分の姿を写し出し……少しはお姉さんに見えるかなと、鏡の中の自分に微笑みかけた……
 愛実が急いで向かった先は学習塾……特に勉強が好きと言う訳ではないが、ココに来る事は愛実の楽しみの一つ……

 講師の控え室を覗き込み……
『あーっ!先生ーっ!試験今日で終わったよーっ!』
 満面の笑みで手を振る愛実……
「おぉっ、頑張ったかっ……」
 愛実の視線の先の前田が笑いながら返事をする。前田は二十代後半の社会科の講師、妻帯者であるが講義の解り易さと、清潔感の溢れる笑顔、この塾でも一・二の人気の講師である……愛実も前田の事がお気に入りで、お陰で社会科の成績は、すこぶる良好であった……
 前田の講義がある日は、いつもより少しだけお洒落をして……あっ今、先生と目が合った……講義中、先生と目が合うだけで少し幸せな気分になる……
 しかし、楽しい時間は、あっと言う間に過ぎるもの……講義の終了を告げるチャイムが教室に響く……
あーあっ、前田先生が全教科教えてくれればイイのになぁー……心の中で呟きながら、帰り支度をする……

愛実は教室を出ると、そのまま併設されている自習室に……前田の講義の後は、ココで今日の復習をするのが習慣になっていた……良い成績を残し、前田に注目されたいから……
 自習室で勉強をして、どの位の時間が過ぎたのだろう……愛実が見上げると入り口に、前田の姿……にっこり微笑んで愛実を見ていた……
『あっ、先生……』
「もう、皆んな帰っちゃったぞ……」


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