『THE ENDLESS』外伝〜光羽編死の章-3
「ミリア」
「分かっています」
俺はそれらの長距離攻撃を防御壁を展開して防ぎ、ミリアは一人ずつ狙い撃ちしていった。
「味方が遅いな…敵の増援の方が早く来そうだ」
「きゃ!」
シエルが負傷した。たが問題は無い。俺にかかれば二秒だ。
「はっ」
「とう」
颯葉と蓬莱は相変わらず強い。次々に敵を倒していく。
「もう終わりか?」
ほぼ全ての敵を倒し(または追い散らし)た時、蓬莱がまた挑発した。だがもうのこのこ出て来る馬鹿はいない。
「どうする?光羽。建物内に潜まれたぞ」
「これで燻り出す」
俺は懐からアイテムを出した。
「その白衣、色んな意味で欲しいです…」
「何言ってんのミリア」
手近にあった建物に小さな穴をあけ、投げ込む。すると、煙が吹き出し、潜んでいた敵が飛び出した。
「卑怯者!」
「俺は徹底的に準備をする質だからな…颯葉!」
颯葉が進み出て止めを刺す。
「マスター!敵が!」
ミリアの声、見ると、敵が三人近付いて来ていた。
「たった三人であの自信ありげな表情…気を付けろ、恐らく奴等は覚醒型だ。俺の合図で一旦退け」
俺の読み通りその三人はオーラを纏って突撃してきた。俺は煙幕を張り、逃げ出した。
「くそ!何処へ消えた!?」
どうやら全員隠れられた様だ。俺は急ぎ次の策を練る。
「……!そうだ」
俺は人差し指と中指を伸ばし、銃の形を作り、光弾を作り出して空に飛ばした。これは最近使えるようになった技で、レベルに従い殺傷力が上がる。今は掠り傷を負わす程度だが。
「そこか!」
早くも見つかる。計算通りだが。
「とあぁ!」
「無駄だ」
弱めの防御壁で斧や剣の攻撃を防ぐ。勿論破られ傷を受けるが、浅いので一瞬で治せる。
「なっ…何だこいつ…攻撃食らっても怯まない…」
「三人でかかってるのに、何故…?」
答えは簡単。現実の痛みに比べれば、このゲーム中の痛覚はぼけてしまっている。だから俺は寧ろ痛みを感じたい位なのだ。
「だっ駄目だ…瞑睡してしまう!」
三人は遂に逃げ出した。が、颯葉達に立ち塞がれ仕留められた。