昂り 〜カティア〜-4
「アンッアンッ、は、あ、やぁぁ」
王が部屋にこもってから3時間。
扉の向こうから、あられもない女の声が漏れてくる。
獣のような息遣いも。
今回はあまり余裕がないようだ。
おそらく、少なくとも明日の朝まで女は休みなく犯され続けるだろう。
王は、3カ月に一度ほどの割合で、このように女をお求めになる。
体内に流れる龍の血が、自分の血縁を増やそうと暴れるためだと聞いている。
それが来ると、王は普段とは別人のようになり、欲望の虜になって、ひたすら精が枯れるまで、女の身体を貪る。
そして、その熱を最後におさめるのは処女でなければならないという。清らかな処女の破瓜が、龍の血を慰めるらしい。
王のために最低2人以上の女、かつ処女を必ず1人用意するのが、私の勤めのひとつ。
こうして王が女を貪る間、王が暴走しないよう、女が逃げ出さないよう見張り、身辺に気を配るのもまた、仕事。
「やあああ、お許しください、許して、も、壊れ…」
扉の向こうから、女の泣き声と、鎖が引っ張られる音が聞こえる。
たいていの女は、獣のようになった王にさんざん貫かれ、出されても出されてもその勢いが全く衰えないことに恐怖し、一度は逃げようとする。鎖で足をつなぐのはそのためだ。鎖は扉まで行きつけない長さになっている。
「あああああ!」
案の定、鎖で足止めされたところをつかまって、また挿れられたのだろう、ひときわ高い声が響く。
恐怖と快楽にゆがむ声。
今日の女はなかなかいい声で啼く。
自分の欲望が頭をもたげそうな衝動を振り払い、明日の朝のための準備をはじめる。