おんぶ-その後-(2021/09/05)-3
「うわっ・・・、
とっ、とっ、とっ・・・。」
浩次は痛めた方の足をかばいながら水着を脱ごうとして、
バランスを崩してしまった。
絵美が驚いて振り返る。
振り返った絵美を見て、
浩次は脱ぎかけた水着を慌ててはきなおし、
姿勢をなんとか立て直して、その場に立った。
「浩次、大丈夫?
手伝ってあげよっか?」
「え?
だ、大丈夫だよ。
自分で脱げるよ。」
浩次の頬が赤くなった。
「私に手伝われると、
恥ずかしい?」
「・・・・・うん、
そりゃ、まぁ・・・。」
「そっか・・・。
・・・だよね。
・・・・でもさ、
この際だから言っちゃうけど・・・・、
私、浩次のは見たことがあるから、
今さらって感じなんだけど。」
「え?」
「私達って・・・、
小さい頃によくお医者さんごっこしたじゃない?
忘れちゃった?」
「・・・まぁ、覚えてるけど。」
「でしょ?
それに、
浩次って、私に見せようとしてたでしょ?
私は恥ずかしがってるのに。」
「そうだったっけ?」
「そうよっ、もうっ。
覚えてないの?
私が恥ずかしがってると、
余計見せてきた気がするけど・・・。」
「そうだったかも・・・。
あ、でも、
そう言う絵美ちゃんだって、
面白そうに僕のを触ってきてたよね?」
「え?
あ、それは・・・、
まあ・・・・、どっちでもいいわ。
それより、
早くしないと、どんどん時間が経っちゃう。」
絵美はそう言うと、
突っ立っている浩次の正面にしゃがみ込んだ。
* * *