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検事 桐生美鈴
【母子相姦 官能小説】

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記者会見-3

山田が、

『ワザとらしい。』
『ピンピンしているのに。』

と呟くと緒方が笑う。美鈴が、

『聞こえるわよ。』

とたしなめる。山海は、電話が掛かって来たみたいでスマホで話している。それから耳にワイヤレスイヤホンを固定している。美鈴は、

【おかしな事するわね。】
【記者会見を誰かに伝えたいのかしら。】

と訝しんだ。メディアの中にはテレビ局も複数社来ており中継していると山田から聞いていた。記者会見は、テレビで見れるので山海の行動が理解出来なかった。司会役でもある記者クラブの当番社の記者が、

『桐生検事、山海幹事長、中央に並んで貰えますか?』

と地検の正面入り口の真ん中に2人に並ぶ様に言ってきた。
美鈴が歩こうとすると、山海は未だ通話中なのか、ワイヤレスイヤホンを手で押さえ聞いて居る様だ。若手の弁護士が山海の乗った車椅子を真ん中に移動させよう押し始めた。

その時だ、山海が老人と思えない速さで車椅子から立ち上がり美鈴に向かって来る。その右手には光る物があった。山田が、

『危ない、チーフ!』

と叫び美鈴を咄嗟に横に突き飛ばす。山海は上に振り被った光る物を山田の肩口辺りに振り降ろす。山田が肩口を押さえて床に座り、苦悶の表情を浮かべている。美鈴は、山海の手にナイフ見たいな刃物を見た。美鈴は、

『山田君!』

と叫び、山田に駆け寄る。山田のスーツの右肩が切られ、右手の先から血が流れている。すると山田と緒方が、

『チーフ、後ろ!』
『検事、逃げて!』

と悲鳴に近い声で叫ぶ。美鈴が見ると山海が間近に迫る、美鈴は条件反射的立ち上がる。山海が右手のナイフを横向きに持ち美鈴の体を刺そうとしている。

呆然としている美鈴の前に、大柄な人物が素早く立ち塞がる。山海は、その大きな人物にぶつかっていく。美鈴は、その大きな人物が猛だと気付いた。猛は苦しそうな顔をしている、良く見ると猛の腹部に山海のナイフが押し込まれていた。美鈴は真っ青になり、

『嫌‼︎』
『猛‼︎』

と大声で叫ぶ。猛は、山海のナイフを握る手を左手の万力の様な握力で掴み、山海が思わずナイフから手を離すと山海の肩口を右手で掴んで放り投げた。山海は、投げられ激しい衝撃でうめいていた。その頃になって、余りの出来事に声も出せないでいたメディアや見物客が、

『キャー!』
『何やってんだ!』
『山海が検事達、襲ったぞ!』

などと悲鳴と怒号が飛び交い、混乱状態になる。山海を地検の警備員が取り押さえる。騒ぎを聞き付けた、地検の職員達がメディアの記者達から美鈴達に押し寄せて来るのを止めている。

猛は、ゆっくりと床に座る。その腹部は血で真っ赤になっていた。美鈴も座り込み、猛を抱き抱えて泣きながら、

『猛!猛!』

と叫んでいた。近くで琢磨も泣きながら、

『畜生!刺しやがって!』
『猛、頑張れ!』
『救急車、呼んで!救急車ぁー!』

と叫んでいた。美鈴は事の成り行きに、ショック状態になっていて

【琢磨君、何で居るんだだろう…】

とぼぉっと考えていたが、猛の腹部のナイフを見て抜こうとすると、

『検事、抜いては駄目です。』
『出血が酷くなる恐れが有ります。』

と声がした。見るとすぐ近くに今日、美鈴を警護してくれている警官がいた。その警官は、職員に清潔な布かタオルを至急持って来る様に伝える。職員がタオルを沢山持って来ると警官はタオル繋いで縛り、それでナイフとその周りを固定した。その警官は、

『こちらの刺された方は、お知り合いですか?』

と美鈴に聞く。美鈴は呆然としたまま、機械的に

『息子です。』

と答えると警官は驚き

『何て事だ。』

と絶句した。琢磨は、

『未だ、救急車来ないのか?』
『早くしてくれ!猛が!』
『猛、もうすぐ救急車が来るぞ!』

と涙ぐみ叫んでいる。猛が目を開け、

『母さん。』

と呼び掛ける。美鈴は、

『猛!猛!』

と泣きながら答える。猛が苦しそうに、

『母さん、無事?』

と聞く。美鈴は頷き、

『あなたのお陰よ。』
『余り話さない方が良いわ。』
『体に負担が来る。』

と心配する。猛は何とか

『母さんが無事で良かった…』
『母さんには大事な仕事がある…』

と言うと目を閉じた。美鈴は半狂乱になり

『猛、しっかりして!』
『目を開けて!』

と叫ぶ。警官が猛の頸動脈に触れ、

『脈は有ります。』
『出血で気を失った様です。』

と教えてくれた。その時救急車のサイレンが聞こえて来た。






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