背徳と嫉妬の間には(二回目の貸出し、初のビデオ報告)-7
だがしかしそれでいいのだ。そこに神の計算がある。完璧な中からは気づきは生まれない。不完全だからこそ発見があり、そこに進化へと繋がる糸口が隠されているのだ。
「固っ……うぐぅぅ凄い凄い凄い凄い……」
つまるところ、私は往往にして示された道を正しく歩んではいるものの、時として自ら規約を破り、立入禁止の標識をこっそりと潜り抜け、その先に果たして何があるのかを見極めようとしているただの不完全な人間の一人にすぎないのだ。
「あなたっ……すっごくいいっ……もっと頂戴っ! このまま玄関で後ろからもっともっと突いてぇ〜」
だからこそ私がいまなすべきこと、なさねばならないことは、背徳と嫉妬の狭間で憎悪に滾る怒りのペニスで妻の膣穴を容赦なく責め、渾身の迸りを子宮口にぶちまけることなのだ。
「いいよ、美香、このまま玄関で逝きなさい」
ゆっくりと、膣口ギリギリまで引いてきて、ふと何やら白っぽいものが眼に止まり、そこで一旦静止した。
「あんっ……強烈ぅぅたまんないぃ」
見ると結合部は、凄まじい『突き』を食らい続けた証の如く、真っ白い泡まみれになっていた。
白い泡──色んなものが混じり合った淫らな泡。
自ずと怒りが下腹部から込み上げてきた。向ける先はここしかない。
完全に引き抜くと、昨夜からの長時間に渡る交尾を物語るかのように、そこは閉じもせず、ぽっかりと淫らな口を開けたまま、さらなる交尾を求めている。
私は怒りのままに鋼の凶器を打ち込んだ。食らえこいつを。
「あひっ」
淫らな白い泡──半分は妻の……そして残り半分は……。
食らえもう一丁。
「いぐっ」
人妻でありながら共に耽った別の男との悦楽の痕跡、元恋人だった男との愛欲の名残り、私以外の別の男の生の子種、生いきたザーメン……。
殺す。妻をこいつで突き殺す。このときのために徐々に作り上げてきた大きな溜め。
妻の尻に食い込んだ両手指にピクッと力が籠り、次の瞬間、一瞬で溜めを解放し、とどめのひと突きを打ち込んだ。
「逝けぇ〜〜〜っ」
「あひぃっ逝くっ……逝くっ……みっ、美香玄関で逝くっ……逝くっ、また逝っくうぅぅ〜……」
その声に合わせて、私は彼女の汚れた膣奥に渾身のスペルマを奔出した。
淫らな白い泡が……なかの一つが風船のようにぷくっと膨らんで、次いでパチンと弾けた。
こうしてまた、長い爛れた一日が幕を開けた。交尾に明け暮れる一日。互いの性器を貪る一日。淫汁や精液を舐め尽くす一日。ペニスとヴァギナを結合し続ける一日。
そしていま、妻の本性を晒け出し、その姿に胸を締めつけ、脳を焼き焦がそうという斬新で残酷な趣向が新たに加わる。
私は、毛足の長いラグマットの上に素っ裸で尻をつき、いつものようにソファーの座面を背もたれにして、ビールの小瓶を口に運んでいた。
バスルームから出てきた美香が、そのまま私の膝の上に腰を下ろし、甘える子どものような仕草と表情で私にしがみついてきた。
しかしその仕草とは裏腹に彼女が身につけていたのは豹柄のマイクロミニのワンピースで、いかにも挑発的だった。
私は、ビールをひとくち口に含むと、そのままで口づけをした。口元からビールを垂らしながら、私たちはねっとりと舌を絡ませて互いの口を貪り合った。
「あぁ……」
美香が私の背中、肩、そして後ろ髪などを撫でさすりながら大きく喘いだ。
私は彼女のチューブトップの胸元をひん剥いて、ぽろんとたわわな乳房を露出させると飢えた獣のようにむしゃぶりついた。
「ああっ……」
美香がうっとりとして上体をのけぞらせた。
私は乳首を口に含みながら右手を股間に挿し入れて、彼女の陰裂を指でなぞった。
「あぁ……気持ちいぃ……」
グリーンの透け透けのスキャンティーは、ほとんどその用を成しておらず、固くなった淫核もその下の割れ目も直に触っているのと何ら変わらない感触で、見た目以上に生地の薄さを実感させる分、却って卑猥に感じられた。
「あっ……いいっ……いっいっ……」
美香は、私の膝の上でありながらも太股をパカッと大きく広げ、すぐにでも一度指で逝きたがっている様子だったが、おもむろに私はビデオの再生ボタンを押した。
妻は最初、いつものように私たちの映像が流れてくるものと思っていたようで、テレビのほうへはほとんど興味を移さず、ひたすら淫核を弄くり回す私の指の動きにだけ夢中になっていた。
初め、私はメモリーを間違えて再生したのかとばかり思っていた。
ちょっと引き画だったが、いきなり画面に登場したのは、ソファーの上で股を広げ、カメラに向かって自慰を見せつけている明らかに十代の女の子だったからだ。
カジュアルなデニムの超ミニスカートを腰までめくり上げ、自身の股間を覗き込んででもいるのか側頭部左右で束ねられた二本の髪束が、いかにも少女であることを思わせていて、その髪の束が喘ぎに合わせて可愛らしく弾んでいる。