背徳と嫉妬の間には(二回目の貸出し、初のビデオ報告)-4
「あ、あなたの指を……」
「この指か?」
私はそう言って、わざと膣穴の入り口を中指で捏ね、ぴちゃぴちゃと卑猥な水音を響かせた。
「あう〜っ……そっ、そうっ……それよっ……い、いれてっ……早くっ……美香のオマンコに……ああ〜ん……」
妻はもう我慢できないらしく、私の指を捕らえようと、切ない喘ぎとともに必死で淫裂を割り挿れてきた。
私は、ぬるぬるになった中指と親指と薬指とで、固く膨らんだ淫核を捩じ込むように挟みつけた。
「ひっ……ひい〜っ」
妻の全身がビクビクッと痙攣し、次いで股を大きくパカッと開いた。
本能的に男性器を奥まで受け入れようとする妻の『女性』としての反射作用で、これもまた私が彼女を最も愛おしく思える瞬間だ。
もう昇天は近い。妻は私のカチカチになった男茎を右手で強く握り締め、とろんとしたアンニュイな目つきで舌を差し出してきた。
堪らず、その舌に舌を絡ませながら吸い付いていき、同時に淫核を挟みつけていた右手の中指と薬指の二本を淫穴に突き挿れた。
「うっ……ぐぐぐっ……い……い……いぐっ……」
唇を塞がれ、声を上げようにも上げられず、美香は苦しそうに身悶えした。
その瞬間、私は彼女の唇を開放し、ぬるぬるになった淫核を尚もまだ親指の腹で捏ねながら、くの字に折り曲げた二本の指を関節一つ分だけ僅かに引き戻し、膣内上部の淫核の真裏を強烈に抉った。
「あう〜っ……あっ、あなたっ……すっ、すごすぎ美香出ちゃう出ちゃうあんもう出ちゃってるってばぁ〜逝っ……くうぅ〜〜」
妻の絶頂に合わせ、私は彼女の手のなかで至福の喜びに包まれていた。
気がつくと、私は砂嵐一面のテレビの前で、ペニスを握り締めて果てていた。外はもう明るくなっていた。
ほどなくガレージの解錠を知らせるブザーがリビングに鳴り響き、同時にモニター画面がONとなって、私の車の隣にゆっくりと進入してくる見慣れた車が映し出された。
新幹線のホームで出迎えてあげたいという思いはあったものの『初対面は二人っきりで』、というのが私たちの約束ごとにもなっていた。
そしてまた私には、何よりも優先すべき儀式があった。
予定どおり、今回も妻は正午近くに玄関の扉を開けた。
「ただいま」
「やあ、お帰り」
やはり美香は、入るなり私の視線を避けるようにして眼を伏せた。
この瞬間は、何とも言えない気分だった。公認且つ私自身の立案とは言え、朝帰り女房に対する非難の気持ちと、安全にそして何よりも無事私の元へ帰ってきてくれたことに対する感謝の気持ちと、まったく対照的な気持ちが複雑に絡み合い、私も次にかける言葉がちょっと見当たらず、ただ黙って彼女がコートを脱ぐのに手を貸した。
「あ、これ」
そう言って、妻がバッグのなかから小さなメモリーカードを取り出して、私のほうに差し出した。
私は、それをかすかな笑みを浮かべて受け取った。いまの様子からして、美香はこの中身をいまだに知らないでいるらしい。どうやら脇田はうまく事を運んだようだ。
携行による手渡し意外を禁じられた貴重なデータ……美香自身のあられもない姿が記録されたカード……私以外の別の男と交尾に耽っている私の知らない妻の本性が晒け出されたメモリー……。
私は、妻が無性に愛おしくなり、その場で彼女の身体をきつく抱きしめて唇を重ねた。
美香も私を強く抱きしめてきた。ノーブルな香水の香りと成熟した女の薫りとが共犯し、私の脳髄に一撃を食らわせた。
私は、その場で彼女のスカートのなかに手を入れた。
剥き出しの素肌の感触がいきなり私の五指から掌へと瞬時に劣情の火を灯し、淫靡な官能の世界へと誘ってきた。
言い付け通り、予め妻は車内かどこかで無粋な厚手のタイツ等を脱いでいた。
ならばその律儀さ、健気さに応えよう。儀式の始まりだ。一切の寄り道をせず、いきなり薄いパンティーの上から割れ目を強く擦り上げた。
「ううっ……うぐっ……」
妻が呻く。
私は彼女の口を貪りながら淫裂を指で掻き分け妻の潤いを感じとると、少し荒っぽいほどの勢いでパンティーのなかに手を突っ込んだ。
「うぐっ……ぐぐっ……」
美香はさらに強く私にしがみついてきた。パンティーのなかはすでにぐしょぐしょで、私の中指はたちどころにぬかるんでいた。
「あっ……あなたっ……あっ、いいっ……」
おそらくこのぬるぬるは妻のものだけではないだろう。帰り支度を整えていざ部屋を出ようとした瞬間、再び互いにきつく抱き合い、口を貪り、淫部をまさぐり合い、そして下だけを剥き出しにして、またしても動物のように理性も忘れて激しく交わり合ったに違いない。いや、絶対そうに決まっている。
私は、美香をくるりと向こうにむけ、尻を大きく突き出させた。そして素早くズボンをブリーフごと脱ぎ捨てると、紫色の紐のようなパンティーの脇から反りかえったペニスを突き入れた。
「あうっ……ああっ……いっ、いきなり……ああっ、こ、こんなところでっ……あっいいっ……」