初めての貸出し-4
私はパンティーに手を伸ばしていき、その柔らかな質感と、そして薄い布越しに伝わりくるざらざらとした淫毛の感触を同時に味わった。
左手は彼女の身体を抱き込むようにして、ずっと乳房をあやし続けている。
「ああ〜ん……もっと下ぁ〜……」
美香は駄々をこねるように身体をよじった。
私はさらに手を伸ばし、パンティーの上から美香の縦割れを中指でなぞって降りていった。
「あっ……」美香の身体がぴくんとなった。「そっ……そこっ……」
初めはそうっと上辺だけを割れ目に沿って肛門付近まで降りてゆき、今度はやや強く食い込ませながら、割れ目を割るようにして擦り上げた。
「あっ……あうっ……」
そこはもうすでにぐっしょりと濡れていて、パンティーなどなんの意味もなかった。
しかし、私はまだパンティーのなかには手を入れず、上からじんわりと淫核を探り当て、指でそのコリコリとした感触を愉しんだ。
「ああいいっ……くうっ……」
美香は、酸欠に陥った魚がやるように口をぱくぱくとさせると、両脚を引き攣らせるようにぴんと伸ばし、太股に力を入れて突っ張った。
こうなるともう絶頂は近い。淫核を捏ね回す中指に私は力を込めた。
「あぁっいぃっ……あなたっ……わたしもう逝っちゃうかもしれないっ……」
「いいよ、いっぱい逝きなさい」
「あっ逝くっ……逝くっ……あっ、逝く逝く逝く逝くっ……美香逝っちゃうぅ〜〜……」
最後にぴくぴくっと全身を痙攣させると、美香は萎れた花弁のようにぐたっとなった。
しかし、彼女の性への欲求はこんな呆気ないものではない。
ひと度絶頂に達するとさらに性器全体が鋭敏になり、愛撫を享受するままに次から次へと絶頂を迎え、やがてその間隔はどんどん狭まり、最後は逝きっぱなしのようになってしまう。
私は、ぐったりとした彼女の唇に唇を重ねた。そしてそっと吸ってみたり、舌をちろちろと出し入れしたりしていると、美香は舌を突き出してきて私の舌に絡ませてきた。
舌を激しく絡め合いながら私は乳房を揉みしだく。左の乳房を下から強く揉み上げるとブラの割れ目を割って突起した乳首が顔をのぞかせた。
一旦舌と舌との絡みを解くと、すかさず乳首に吸いついた。
「ああっ……」
美香が早くも快感の波に引き戻されてきた。
私は乳首を舌で転がしたり歯で噛んだり強く吸ったりしながら妻に訊いた。
「何回やったの?」
すると、思い起こしでもしていたのか、ややあって美香は答えた。
「三回……」
私は乳首を強く噛んだ。
「いたっ……」と、美香が悲鳴を上げた。
「本当は?」
「……四回……」
そう言って、美香はすぐにごめんなさいと謝った。
私は、彼女の身体を強く抱きしめ、唇を合わせた。
妻が他の男に抱かれた。いまやこの妄想はすでに妄想ではなく、現実のものとなっていた。
泣き出したくなるほどの悲痛を超え、逆に大笑いしたくなるような一種錯乱した思いに翻弄され、私は目眩を起こしそうだった。
血液が一気に体内を駆け巡り、脳を痺れさせ、心臓を激しく叩き、ペニスはすでに膨れ上がれるだけ膨れ上がっていた。
「どう、よかった? あっ愚問だったね。よかったから四回もしたんだもんな」
「……でも……あなたのほうがやっぱりいい」
そう言って、美香は私にしがみついてきた。
無論そんなことはあるまい。誰だってその都度、そのときが一番いいに決まっている。私は複雑な心境を抱え込んだまま、美香の乳房を揉みながらさらに訊いた。
「一回目は?」
一回目はやはり定石どおり、夕食後とのことだった。但し、二人はシャワーも浴びず、まるで互いを貪るかのようにまぐわっていた。
無論妻の遠慮気味な報告を、より具体性を帯びた脇田からの報告メールが補完してくれていることを妻は知らない。
夕食は、市内の居酒屋で名古屋コーチンの鍋料理を美味しい地酒とともに堪能したらしい。
また、二人はさしたる駆け引きもなく、すでにそこからやる気満々で、下ネタなどで大いに盛り上がっていたようだ。それはそうかもしれない。二人は私の段取りによって、それを目的として会っているわけだから。
私は、話を聞きながらも、美香の乳房を薄いブラの布ごと丁寧に舐め回していた。
すでに出来上がっていた二人は、当然他に寄り道などするはずもなく、美香のホテルに直行したと言う。
「部屋に入るなり……あんっ……いきなりだったの」
時折美香は、私の愛撫に呻きながらも報告を続けた。
「後ろからギュッと抱きしめられ……あっ……スカートのなかに手を入れてきたの……」
「こうやって?」
私はパンティの上から割れ目を軽くなぞってあげた。
「はっ……そっ……それもパンストの上からはちょっと撫でる程度で……ああ〜ん……すぐに下着のなかに手を入れてきて……」
「こう?」