嫉妬-6
その瞬間、私の頭のなかでキーンと耳鳴りがした。再びペニスに血流が一気に注ぎ、美香の膣のなかで瞬く間に膨張して二度、三度とぴくぴく跳ねた。
「あっ……」と、美香がすぐさまそれに反応した。
「そ、そうだったんだ」
「うん、もう遠い昔のことよ。私より二回りも歳上の人……」
「そ、そうだったんだ。知らなかった」
私は意外と冷静だったのを覚えている。確かに聞いた瞬間は動揺したが、しかしそれはあまりにも朧げな影で、まるで実像を結ばない。
それこそそんなところまで遡っても仕方がないし、それでは彼女のこれまでの恋愛をすべて認めないことになってしまう。それは彼女の人生を全否定するのと同じことだ。そこまで私も馬鹿ではないし、意外とすんなりと私のなかから薄れていった。
やはり相手の素性を知っているのと知らないのとではわけが違う。ましてや脇田とはつい先ほど顔を合わせ、三人で酒を酌み交わしたばかりだ。
「脇田さんもHな言葉好きだったけど、でもそれはあなたも同じでしょ。男の人ってみんなそうなんじゃないの」
やはり私にとっては、こちらのセリフのほうが痛烈に胸に、いや股間に響いた。
美香は何気なく言ったつもりだろうが、私のなかでは一気に妄想が膨らんで、「お願い、チンポ頂戴。美香のオマンコいっぱい突いて」と脇田に向かって尻を突き出し、淫靡な眼差しで懇願している美香のイメージが実像として浮かび上がった。
「あっ……かっ、固っ……」
美香が呻いた。
私のペニスは彼女の膣壁を内側から最大限まで押し広げていた。
「ああ〜ん、いいっ……いいわっ、あなたっ……」
「いいのか、これが」
「いいっ……素敵っ……」
私は強く、弱く、そしてときにパンパンパンパンと、わざと卑猥な音を立てるようにペニスを抜き差しした。
「あっ、そうっ……それっ……あひっ……」
「脇田さんもこうしてくれた? こうやって後ろから」
「いやっ、そんなこと訊かないで……」
「知りたいんだ、美香のこと、もっと」
「だって……みんなすること同じでしょ?」
「頼むからしてくれたって言ってくれ」
そう、私のなかですでに何かが歪み始めていた。美香が他の男に貫かれている姿を想像することでいきり勃ち、憤りながら怒張し、嫉妬の炎で胸を焼きながら硬直する……。
しかし、美香ももうそのことに気づいているようだった。私が自虐の念に胸を焦がし、さらに自身を傷つけることでより巨大な快感を得ようとしていることを……。
「うん……してくれた」
はっきりと美香がそう言った。
その瞬間、私のペニスは美香の膣のなかでより強度を増し、より巨大さを増した。
「うぐっ……」
「いいのか?」
「いいっ……」
「こうしていっぱいしてくれたんだ」
「うん、いっぱいしてくれたよ……ああっ……」
「気持ちよかったの?」
「きもち、うぐっ、よがった〜」
「オマンコがよかったの?」
「ああっ……そうよっ、オマンコがっ……気持ちよかったのぉ」
「どっちのチンポが大きかった?」
「……」
さすがにそれには返答がなかった。
「向こうのが大きかったんだ?」
「ううん、あなたのほうが大きいわ」
無論それは私には判らない。そうかもしれないし、そうでないかもしれない。いずれにせよ彼女の配慮だろう。
つくづく男なんてのは哀れな生き物だと我ながら思う。
しかし、いま私が欲しかったのは魂を燃やし尽くすほどの巨大な嫉妬の炎であり、はらわたを煮えくり返すような憎悪だった。
「本当は向こうだろ? なあ、脇田さんのチンポのほうがでかかったんだろ? そうだろ? 嘘でもいいから、ねっ、そう言って。怒んないから」
私は力任せにペニスを突き上げた。
「あひ〜っ……あう〜っ……そっ、そうよっ、脇田さんのほうが大きかったわ……あっいい〜っ……」
私は上半身を起こすと美香の尻の上に馬乗りになった。ペニスは膣のなかに深く突き入れたままだ。そして、彼女の両肩に手を置くと、強くシーツに押さえつけた。
「ああ〜っ……」
私はほとんど美香を犯している気分だった。私のペニスは極限にまで硬直し、それを私は渾身の力を込めて、美香の膣穴に打ち込んだ。
「あひ〜っ……あうあうっ…ひいぃ〜っ……」
美香は髪を振り乱し、必死に尻を突き上げてきた。
「こうやって脇田さんにも突かれたのか」
「そうよっ、そうそうっ……突かれたのっ、あひっ……」
「脇田さんのチンポがよかったか?」
「ひ〜っ……そうよっ、よかったのぉ〜また逝っちゃうっ、美香おかしくなりそう……」
「ほらっ、脇田さんのチンポで逝きなさい」
「いやっ、あなたのチンポでなきゃいやっ」
「じゃあ、逝ってみろ、ほらっ、このチンポで」