母にはなれない-3
風呂に入り終わり、彼が実家住まいの時に使っていた部屋に布団を敷いた。
彼はすでにベッドに横たわっていた。
「今日さぁ…なんか皆おかしかったよな。」
「そぅかしら…。みんな嬉しくて舞い上がってたんじゃないかしら。」
彼がベッドから降りて布団に入ってきた。
「いやいやいや、ジジババは普段もっと社交的だぜ?
まあ美沙子があんまり綺麗で緊張したか…孫が欲しくて緊張したか。」
と言って笑いながらキスをしてきた。
いつものように性急なキス。
舌で口内をめちゃめちゃにしてから素早くパジャマを脱がしてきた。思わず声が漏れる。
「親父とお袋下にいるんだから声だすなよ。」
といって右手は激しく私の乳房を揉んだ。左手はすでにパンティの中に侵入している。
私のすでに賢治が欲しくて欲しくて、いつもより濡れたアソコを指で器用にならし、パジャマとパンティをやや強引に剥ぎ取った。
そして自分のパジャマとトランクスを膝まで下げるとそそりたったモノを私の口にいれた。
すでに出ていた液で苦かったけれど、これが最後かと思うとなんだかとても愛しく思えた。
「ぁー…まじ美沙子いいわ。ってか今日もゴムねぇし、ま、生でいいよな。
親父に早く孫の顔見せてやろうな。」
というと正上位で挿入してきた。思わずこぼれそうになったため声をのみこんで、彼のゴツゴツしたペ○スを膣で味わう。
息を荒げながら、ものすごい速さのピストン運動を繰り返す彼。
すると突然
「やばいっ!!…いくっ」
と言ったかと思うと、急に顔をゆるめ動作をやむた。
そしてペ○スを何回かビクビクさせ私の中に生暖かい精子を放射した。
いつも通りの手慣れたセックスだった。
「ふぅ〜……今日疲れたからもう俺寝るね。美沙子明日の朝お袋の朝食つくんの手伝ったほうがいいかもな。お袋また張り切りそうだし。」
と言いながらしぼんだペニスをトランクスにしまいパジャマを履く。疲れたのか瞼が徐々に下がってきていた。
「わかってるから大丈夫よ。おやすみなさい」
といって電気を消してやる。
「おやすみ…」
よっぽど眠かったらしく十数秒後には規則正しい寝息がきこえてきた。
安らかな顔。
そこまで整っているわけではないけれど誰からでも好感を持たれるような育ちの良さそうな彼の顔。
私はピンクと白のフレンチカルジェルがしてあるきれいな細い指で、彼の広すぎる額を撫でた。
そのとき突然、空を割るような雷の大きな音がしたので、立ち上がって道路に面している窓を見た。
予報にはなかった雨の降りしきる中に、一人の不細工な顔の女がガラスに写った。髪の毛は崩れ乱れて、涙で顔がはれている。
この顔は昔の私なのか今の私なのかわからないけれど、絶対に私であることに間違いはなさそうだ。
神判の太鼓音のように、雷が鳴り響く。
ベッドに登り窓を開け枠に素足を掛ける。
まだ3ヶ月目の私の子がいる目立たないお腹をパジャマの上からさすった。
――――――………………ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
雨は部屋の中にも吹き荒れ、益々雷が大きく鳴り響いた。
大雨でなにもかもが流された夜だった。