深夜のオフィスで (2)-1
「ねえ、ゆき。Yはきっとまたキスしてくるんじゃない?」
二度の中出しセックスを終えた私たちは、余韻を味わうように抱き合い、ソフトなペッティングを楽しんでいる。
「パパ、また変なこと考えてるでしょ?」
「うん、考えてる」
「もう……」
さりげなく「変なこと」を匂わせても、妻からの強い拒否はない。
「どんな後輩くんなの? Yくんて子は?」
「うーん、すごくいい子。真面目だし爽やかだし」
「おいおい、キスされた相手にずいぶん好意的な評価だね」
「あーー、また大っきくなってる。変態……」
「ゆきだって何濡らしてんだよ」
「これは違うよ。パパに触られてるからだもん……!」
夫婦で互いに互いの性器を弄り合う。二度の中出しでもはや二人の股間はドロドロのベトベトだが気にしない。どさくさに紛れ、「こんなに濡らして、そんなにYくんとセックスしたいの?」と、踏み込んだ質問を試みるも明確な返事はない。息を荒くし、私の指のタッチに合わせて腰を軽く上下させている。
てっきり「ばーか」などと一蹴されると思っていたのに、これではまるでYとの行為を想像しているようではないか。なおもペッティングに没頭する私たち。ゆきは私のペニスを軽く握り擦りながら目をつむり、眉根に皺を寄せている。
「いいよゆき、もっと想像して……」
試しにそう囁くとゆきは私の胸元にすがりつき「ん、ん……!」と小さく鳴いた。
「この手がYくんのだと思って……」
妻の股間にあてがった指の間から、愛蜜が溢れ出す。
「そう……Yくんとのセックスのこと考えて……!」
煽るほどに妻は無言で乱れ、やがて「っくぅ……!」と喘ぎながら脚をぴんと伸ばし、のけぞった後がくんと腰を震わせて果てた。