恥辱の先に2人はどこへ向かうのか-1
あれから、ゆかりちゃんはどうなったんだろう? 恵理子にはただそれが気がかりだった。あの時もう裸にされていたとはいえ、その後も彼女自身が今までされてきたのと同じく、いろいろと恥ずかしいことをさせられたに違いない。ゆかり自身はそれは覚悟の上だと言っていたが、本当に大丈夫だったのだろうか。沼口の言うことが本当なら1日だけということだが、それでも自分のために親友がひどい恥辱を我慢しなければならなかったのだと思うとやりきれない。
その日の晩、恵理子はゆかりからのメッセージを待ったが、何もなかった。怖さと罪悪感から、彼女の方から連絡を入れることには気が引け、できずにいた。
翌朝になってスマホをチェックしても、ゆかりからのメッセージは入っていない。
卒業式を終えて、もう学校で会うこともない。やっぱりこちらから連絡してみようか……と思いかけたそんな折、昨日に続いて、沼口から呼び出しが入った。今から来るようにということだった。
何か恐ろしいことを知らされそうな気がする。けれどもゆかりのことは、沼口から聞いてみるしかないのかもしれない。不安に駆られつつも、恵理子はギャラリー・ユピテルに足を運んだ。
ドアを開けると、沼口が待ち受けていた。
「待ってたよ」
「あの、あれから、ゆかりちゃんは……」
入るなり、震え声でおずおずと尋ねる恵理子を、沼口はギャラリーの奥に案内する。昨日と同様、スクリーンが立てられている。
「それは、こういうことだな」
沼口は機材を操作し、スクリーンに画像を映し出す。
「いやぁっ!」
そこにはゆかりの一糸まとわぬ姿があった。すでに一緒に裸になっていたとはいえ、恵理子が昨日、ここを後にした後、ひとり残された彼女は、やはりこんなふうに写真に撮られたのだろう。
見ると、下腹部には、昨日一緒だったときには生えていた陰毛が無くなっている。やはり沼口の好みに合わせて、恵理子と同様に剃られたか抜かれたに違いなかった。かなり生え揃っていたから、恵理子がされた時よりも、違いは大きい。
さらに沼口が画像を繰ると、裸のままいろんなポーズをさせられた彼女の姿がある。半端に制服を着せられて、胸や局部だけを露出させたような写真もあった。
やっぱりゆかりちゃんは私のために、こんな格好にさせられたのか……。それでどんな恥ずかしい思いをしただろう。恵理子の胸にはいよいよ罪悪感がこみあげてくる。自分の裸の写真を見せられる以上にいたたまれなかった。
そればかりではない。沼口が画面を繰って新しい画像を見せていくと、そこに写っている姿は明らかに恵理子が過去に撮られてきた姿とは違っていた。
四つん這いで脚を開かされて、後ろから大きく恥部も、お尻の穴もアップにされた姿態。
お尻を高く持ち上げられ、大きく開脚させられた姿態。
恵理子は最初の純潔検査で自身の手で性器を開帳されられた時を別にすれば、過去にここまであられもない痴態を強制されたことはなかった。しかも、見るとゆかりの表情は恥ずかしさというレベルのものではない。
「あの、ゆかりちゃんに……何をしたんですか?」
「決まってるじゃないか。しっかりと頂いたよ。なかなか活きのいい娘だったな。手引きしてくれたことには礼を言うよ」
そう言うと、その証を示すように、沼口は次の画像に繰った。ゆかりの恥部からは、純潔の証を無残にも引き裂かれて、鮮血が滴っていた。
恵理子は愕然となった。ゆかりは沼口にレイプされてしまったというのだ。
「そんな……ひどい! ひどいです!! ゆかりちゃんになんてことを!」
さすがに恵理子は激高して非難した。だが沼口は冷たい笑みを浮かべて返す。
「誰がそういうことをしないなんて約束した?」
確かに沼口はゆかりを連れてこいとしか言わなかった。ただ恵理子は、今までの自分と同じく恥ずかしい恰好をさせられるばかりだと思い込んでいた。ゆかりだって、最悪でもそうなるばかりだと思ってここに来たはずだ。
「君ほどの美少女は特別だから、まだまだ清純でいてほしい。でも君とは違うんだよ」
何ら悪びれることもなく、平然とした顔で告げる沼口だった。
いずれ奪うつもりだとは言っていたが、今まで沼口は恵理子の純潔を尊重していた。毎回恥ずかしい恰好をさせたとはいえ、それ以上のことはしなかった。お小遣いやプレゼントをくれるという優しさも見せた。それで恵理子は、沼口が実は女の子の裸を鑑賞し、愛でるばかりで、乱暴なことはしない男なのではないかと思いかけていたのだ。すべては彼女の思い込みにすぎなかった。沼口の恐ろしさを甘く見ていた。彼女は自分のあまりの浅はかさを呪いたくなった。
「一日だけでいい、ってのは嘘じゃない。君との百合ショーも楽しめたし、バージンを頂けたら、もうあの程度の女になんて用はないんだよ」
あの程度の女……親友にそんな軽んじた言い方をされて、いよいよ憤りがこみあげる。だがもう取り返しがつかない。
「あ、言っとくと中では出してないから、たぶん子供が出来たりはしないよ。俺だって後々面倒なことにはしたくないからね」
「それで済むような話じゃないでしょう!」
恵理子は怒りに身を震わせたが、沼口は歯牙にもかけない。
「それとも、君も親友の後を追って、ここでバージンを捧げるかな?」
「……」
沼口に淫猥な目で詰め寄られると、恵理子は押し黙ってしまった。
「それはまだまだでいいから、高校に入ってからも、よろしく頼むよ。言うとおりにしなきゃ、君の裸だけでなく、君の親友のあの姿までネットに出回るからね」
どうにもやりきれない思いのまま、恵理子自身はその日は何もされることなく、帰された。