第７話 欲情を剥き出された女子大生-3
微かに生じた甘えたい願望と、その電撃的な刺激で、美緒は抵抗の意志を消失した。美沙の指が、クイックイッ、と曲げ伸ばし運動を発動し、更なる刺激を美緒の股間に与えて来ても、もう美緒は、首を横に振る事も拒絶の態度を見せる事も無く、ただ脱力し、されるがままとなった。
美沙の指は、第二関節と付け根の関節が動き、第一関節は真っ直ぐに固定された状態で美緒の股間に押し付けられている。清楚な風合いのロングスカートの上からではあっても、美沙のその指の動きは、美緒の股間の、クリトリスからヴァギナにかけての広い部分にまんべんなく圧迫刺激を与え、包容力を感じさせるような快感を与えていた。
「あっ・・あぁっ・・あはぁっ・・ああっ・・あっ・・・」
吐息交じりの声を小刻みに上げて、美緒は快感を露呈している。その美緒に覆いかぶさるように、美沙は迫って来た。片足の膝を座面に乗せ、美沙を触っていない方の手をシートに当てて体重を支え、顔はグイグイ美緒に迫って来る。
薄ピンクの紅に彩られた、あまり厚みの無い美沙の唇が、ぽってりとした肉厚な上に深い赤色の口紅を乗せた美緒の唇に近付く。クイックイッと股間への刺激を継続しながら唇を唇に肉薄させて来る。眼で見るより、顔が顔の温度を検知する感触で、美緒は美沙の異常接近を実感した。そして、無意識に、反射的に、美緒は唇を突き出した。最後の数㎜の距離を美緒の方から詰めて、美緒は美沙とレズキスをした。
レズの経験など無いし、これまで女に欲情など覚えた事の無い美緒だったが、媚薬による気分の高揚と美沙が股間にもたらした快感が、美緒にレズキスへの渇望を与えたのだ。先ほどの、美沙の優しい声も影響しているだろう。
一度触れてしまうと、美緒の唇は狂おしい程の勢いで美沙の唇を貪《むさぼ》った。唇の伸縮性をフルに活かして、すぼめて突き出したり横に広げたりを繰り返し、美沙の唇を唇で味わおうと美緒は努めた。ムニムニとした触感が心地良いのだ。チュパチュパと吸う事もした。首を上下左右に振って、ニュルン、ニュルン、と摩擦刺激も生じさせた。小刻みに連続的に唇を突き出せば、プニ、プニ、プニ、と、顔を前後に揺らせば、プヨン、プヨン、と美沙の唇の弾力を愉しむ事も出来た。
伸縮、吸引、摩擦、弾力。プニ、プニ、プニ、チュパチュパ、ニュルン、ニュルン、プヨン、プヨン。美緒は夢中になった。美沙とのレズキスの虜になった。股間は、美沙の指に侵略を受け続けている。付け根と第二関節だけを動かすような圧迫刺激の次には、摩擦刺激が美緒の股間に炸裂した。
肩と肘を動かし、手首と指は固定させたままで、美沙は美緒の股間を、シャカシャカシャカと擦り上げて来たのだ。美緒のスカートのやわらかで上品な布地は、下腹部から尻にかけての美緒の股一帯に、ペッタリと皺ひとつ作る事なく密着し、股間のシルエットをより精密に、より広域に、模写した。匂い立つほどに、スカートが股間と一体化していた。レースを重ねたような柔らかで温かな布地が、女性器の襞の一部にでもなったかのようにすら思える。
その襞ならぬスカートの布地を、美沙の指が上下に、軽快に動き、シャカシャカシャカと刺激する。
「あぁぁああぁぁっ・・、ああはぁああぁぁっ・・、あはぁあぁあぁあっ・・・」
美沙の腕が、指の先から肘までが連動して、一斉に上下動する。ダイナミックな動きだ。その動きが生み出した膨大なエネルギーが、美緒の股間に摩擦刺激として炸裂している。美緒の鳴き声も、ヒートアップの一途をたどった。より高音域へと、その声は遷移して行く。
「あぁぁああぁぁっ・・、ああはぁああぁぁっ・・、あはぁあぁあぁあっ・・・」
遂に絶頂にまで、美緒は上り詰めた。言葉にして表現はしなかったが、美緒は美沙に、絶頂させられた。
「あっはぁああっ！ああぁぁああぁぁああっ！」
空中に躍り上がらんばかりの勢いで、美緒はのけ反り、腰を引き、またのけ反り、腰を引き。それを何回か繰り返した。よほど気持ちの良い絶頂だったようだ。
余韻から少し回復して来た美緒は、うっとりとした視線で美沙を見上げた。
「気持ち良く、お果てになられたようですね。」
優しい声で、卑猥な言葉を放つ女性添乗員だ。美緒は小さく頷いて、それを肯定した。
「まだまだ、気持ち良くなりたいようにお見受け致しますが。」
この質問にも、羞恥に顔を赤らめ瞳を潤ませながら、美緒は頷いた。
「でも、お客様。申し訳ありませんが、私には業務がございますから、これ以上お慰めしてさし上げる事が出来ません。こちらを使って、ご自身でご自身を慰めて頂きたいと思います。」
「えっ？」
驚きの声を上げる美緒の眼前に、美沙は、上着の内ポケットから取り出したバイブレーターをかざした。男根型をした極太のバイブだ。よくそんなものが、内ポケットに収まっていたものだと感嘆の声を上げたくなる程、それは巨大な代物だった。ピンク色である事といい、ペニスを精密に再現した形状といい、卑猥極まりない代物でもあった。
「これで、オナニーをお愉しみ下さい。」
美緒を更なる羞恥の念が襲う。突き放されたような寂しさも覚えた。複雑な感情が、美緒の内面で混ざり合った。オナニーをさせられる恥ずかしさ、レズプレイをしてもらえない切なさ、そんなものが、美緒の中に入り乱れていた。
「ええっ？」
困惑と寂寥《せきりょう》の声が、美緒の口を付いた。
「私が、手本を見せてご覧に入れます。」
「ええっ？」
美緒はまた、驚きと戸惑いを声に出した。
それに構わず、美沙はタイトスカートを、ズズズ、とたくし上げ、股間を露出させた。なんと、パンティーを履いていない。いきなりヴァギナが剥き出された。
初対面の女性添乗員の、突如のヴァギナ露出にも、美緒は驚きと戸惑いを禁じ得ず、口をあんぐりと開いたが、その眼は美沙のヴァギナに釘付けだった。